爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「なんでこれが交通違反なの!? 警察は教えてくれない135の必須知識」今井亮一著

交通ジャーナリストとして交通裁判の傍聴や交通法規の研究などを丹念に重ねている著者が、一般によく判らないまま流通している噂の類の正確なところを解き明かしたというものです。
交通違反の多くは刑事事件ではなく行政処分という形の反則金というもので片付けられていますが、これが罰金と異なり地方自治体の収入となるために収入確保のための取締りというものも横行しているようです。
それは困った現象ではあるのですが、著者としてはそれを非難していても仕方がないので正確な法的根拠を知り、対処しようというもののようです。

軽微な違反は反則金を払えば刑事手続きはしないようにするというのが交通反則通告制度というもので、1968年より運用されていますが、そのために疑問の残る取り締まりも数々見られるようです。しかし、裁判となればその正当性を争うこともできるのですが、それ以前の段階で裁判に持ち込まないようにさせるという警察側の圧力もあるようで、難しいところのようです。裁判にすれば無罪となるといってもそれまでの手続きなどは決して楽なものではなく、それくらいなら反則金を払ってしまった方がよいというのも理解できる話です。
ただし、無罪になるような場合というのも限られた事情だけで、よく不平を持つような「なんで俺だけを取り締まるのか」とか「こんな道で40km制限はおかしい」いったものはとてもじゃないが裁判に持ち込めるようなものではなく、標識が草木で見えなくなっていたということを証拠とともに提示できるといった事例などに限られるようです。

スピード違反の取締りでオービスというのは名前だけは知っていましたが、ある設定速度以上の車を感知すると自動的にフラッシュが光り撮影できるもので、30km以下の「青キップ」の反則行為では面倒なので撮影しないそうです。それ以上の「赤キップ」の速度超過では撮影することがあるのですが、一定の誤差を見込んだ設定になっているそうです。またストロボは赤でかなりまぶしい光だということで、それ以外は通行量調査のNシステムなどのものだそうです。そのような赤ストロボを見たことはないので、取り締まられたことはないと言うことなんでしょうか。

駐車違反の取締りも民間委託ということが始まってかなり様子が変わったようです。昔は駐車違反取締りということで、警官が15分といった時間の駐車が確認されると取り締まったものが、現在は運転者がいなければすぐに放置車両として取り締まられるそうです。気をつけねば。

刑事処分と行政処分というものは似たようでかなり違う取り扱いとなり、刑事処分を争う場合でも行政処分反則金だけは支払えという変なことにもなるようです。取り上げればかなり問題も大きなところですが、あまりにも数が多すぎてまともな対応ができないと言うことでしょうか。
しかしある程度の交通違反者の減少にはつながっているのでしょうが、時々とんでもない運転者を見かけることはあります。こういったのはどうにかならないもんでしょうか。