熊本県産と偽装表示をしたアサリが長年にわたり販売されていた事件は、さすがに国際的にも大きなウクライナ侵攻が起きたこともあり報道が少なくなりましたが、その裏側について消費者問題研究所代表という垣田達哉さんという方がダイアモンドオンラインに記事を書かれていました。
アサリ販売で問題となった水産会社をはじめ、今のところこの事件関係で逮捕された者は一人も居ません。
一方、ほぼ同時期に明るみに出た外国産ワカメを静岡産と偽装表示した事例ではすでに水産会社3人が逮捕されています。
どうやらこちらは「不正競争防止法違反」の疑いがあるとして逮捕されたようです。
ところがアサリ事件の水産会社は「食品表示法違反」の疑いということで農水省から昨年12月に注意処分を受けています。
農水省はこの水産会社に対しすでに2年にわたり立ち入り調査をしているにも関わらず、これだけの処分しかしていないということです。
他にも韓国産アナゴを国産と称して販売した事例でも不正競争防止法違反で逮捕されたということがありました。
垣田さんの推測ということですが、どうやら「証拠不十分で裁判で立証できないと見た」か(こちらがよりありそうですが)「偽装を行っていた業者は1社だけでなくそれらすべてを立件すると業界や地元への影響が大きすぎる」と判断したということだろうということです。
また熊本県の発表にも大きな疑問を呈しています。
かなり以前から熊本県のまとめていたデータにも、熊本県産のアサリの生産量と市場での熊本県産アサリと称したものの販売量に大きな差があったことが判っているのですが、それに対し「データを見落としていた」とか「畜養の実態を把握していなかった」などとの言い訳をし、さらに「産地表示ルールが悪い」とルールのせいにしてその変更を求めています。
「アサリ偽装が起きたのは、ルールが悪かったからではない。偽装を防止するための最善策を怠り、長期間にわたって偽装を許してきた行政の責任である。」と書かれていますが、当然のことでしょう。
どうやらこうやって社会的に大きな問題として発表したのは農水省が業者だけでなく熊本県にも警告を出したということのようです。
アサリだけの問題ではなく他にも多くの怪しい事例がありそうです。