爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

行ったことのある都道府県 熊本県2

さて、縁もゆかりも無かった熊本での勤務にも慣れてきたころに、同じ職場に勤めていた地元出身の女性と付き合うようになってしまいました。

まずまず順調と言える経過で結婚することとなり、そこで熊本との関係が変わり密接なものとなってしまいました。

まあ細かいことは略しますが、自分が生まれ育ってきた都会周辺とはいろいろと違うことも多いものの、住めば都というもので過ごしています。

 

熊本では言葉はかなり違うということは判っていたのですが、想像以上です。

子供の頃に福岡に住んでいたと言っても福岡と熊本では相当な違いがあります。

もう30年以上の付き合いになりますが、いまだに妻の親の言っていることには分からない部分が多々あります。

方言の分類についての研究では有名なものではないかと思いますが、九州でも宮崎・熊本の大部分と福岡県南部・佐賀は「無アクセント」地帯と呼ばれ九州の方言の中でも特殊なものになっています。

語彙の面では他の九州方言と似通ったものが多いのですが、アクセントの有無と言うのは聞いた感じでは想像以上の違いに思えます。

アクセントが無いというのは音の高低を使わないということで、強弱はあります。とはいっても強弱で意味を変えるということではなく話し手の感情を表すもののようです。

なお、無アクセント方言地帯としては北関東・東北南部も同様のようですが、由来は異なるのでしょう。

 

このような訳で、昔に聞き覚えた福岡方言とも異なり、また当地にも少なからず居た鹿児島出身者の鹿児島方言とも異なるという熊本方言は独特の聞こえ方をするものです。

九州方言はどれも同じように聞こえるという他地方の人には想像もできないかもしれませんが、実際に結構よく聞き分けられるものです。

 

さらに「熊本弁」といっても地域差がかなり大きなものです。テレビなどでよく出てくるのは熊本市周辺のものですが、北部は福岡の影響があり、東部は大分、天草はかなり独特、南部は薩摩方言の影響が強く見られ県内でも相当異なるものです。

以前読んだ本に出ていたことですが、熊本市では敬語表現がかなり複雑なのに対し、南部などでは緩やかな地域もあり、そちらから熊本の学校へ進学した人が言葉遣いで失敗したという事例がよくあったようです。特に先生に対して熊本市の感覚では「失礼」な表現をしてしまうことがあるそうで、注意が必要だったようです。

 

熊本の風景はやはり「ダイナミック」と言う言葉が似つかわしいでしょう。山の高さや深さと言う点では中部山岳や北海道・東北にはかないませんが、どうしても阿蘇の雄大さというものが代表してしまいます。

阿蘇の北側の外輪山から眺めた五岳というものは良く写真にもなっていますが、南側から外輪山を越えたところからの眺めも息をのむほどのものです。

 

熊本の風景とは言えませんが、熊本市南部から八代平野にかけては雲仙岳がきれいに見えます。特に八代平野からは阿蘇は直接は見えないだけに、火の国といっても阿蘇ではなく雲仙の方が火山として身近に感じられます。

雲仙普賢岳の噴火が起こった時は熊本には住んでおらず、神奈川に居たのですが出張や妻の実家への帰省などで帰ってくると普賢岳の形が変わっており火山活動の激しさを感じられたものです。

 

さらにもう1回「つづく」