爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「地上から消えた謎の文明」吉村作治監修

エジプト考古学で有名な吉村さんの監修ということですが、世界中のかなり小さな遺跡についても記されており多数の人々の手がかかっているようです。

 

消えた文明というとナスカやストーンヘンジなど、その後の継承がなく今ではどのような文明であったかも不明なものが思い起こされますが、そのほかにも中東や南米、東南アジアなどにも数々の遺跡が残っており、そこにどのような文明が栄えたのかも分からないことが多いようです。

意外なところでは北米のアメリカにも現在のネイティブアメリカンの諸種族にも伝承されていない遺跡もあり、そこにはかなり発達した文明の跡も残されているそうです。

 

これまで全く聞いたこともなかったものからいくつか。

ペルーのプレインカ文明の一つに「チャビン文化」というものがあるそうです。

ペルー北部に紀元前1000年に栄えたもので、チャビン・デ・ワンタルという宗教都市がありそこにはジャガーと蛇の文様の土器や金属器が残されているということで、このような宗教の影響はのちの時代にまで影響を与えていたとか。

 

ミクロネシアのポナペ島にはナン・マドール遺跡というものが残っており、巨石の角柱が多数並んでいるということですが、これらは紀元600年頃から長い間に作られたとか。

 

中国に隋・唐が栄えていたころ、モンゴル高原突厥と呼ばれる遊牧民が勢力を広げていました。トルコ系の民族だったようですが6世紀中ごろにはモンゴルを統一して国家を作りました。中国の記録には野蛮人のようにしか現れていないのですが、バイカル湖畔のオルホンと言うところから見つかった碑文には突厥文字で書かれた記録が残っており、高度に文明化していた人々だったそうです。

 

ポーランドにビスクービンという湖がありますが、そこには紀元前13世紀から紀元前5世紀までラウジッツ文化と言う文化圏が広がっていたそうです。集落全体を要塞化し高度な社会生活が営まれていたようですが、気候変化で湖の水位が上昇し水没してしまったとか。

 

結構知らないことが多いものです。それぞれはもちろん後の世に影響を与えることもなく消え去っていった文明なのですが、何らかの遺産は残しているのかもしれません。

また、文明が消えていくという理由も考えてみることは参考になることでしょう。