爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「九州の事件五十年」読売新聞西部本社

読売新聞で九州・沖縄・山口を担当する西部本社が設置され運営が始まったのが1964年とか。

それから50年経ったということで、2014年に「五十年史」を作ったのですが、社内だけではもったいないということで市販用に編集し直して出版したものです。

 

「事件」「災害気象」「事故」「沖縄・安保」「行政」「教育」というグループ分けをして、50年の間に起き、新聞社として報道した数々の事柄について当時の取材体制も含め振り返っています。

ただし、暴力団関連の事件は省いたものもあり、またわずかな時間差で熊本地震も入っていません。

 

1964年には私は福岡の小学生でした。

その後、九州を離れましたが、会社に入ってからは熊本に赴任しその後は九州と縁の深い生活をしてきましたので、ここに取り上げられている事件事故等は印象深いものが多く自分の人生とも重ね合わせられる事々です。

 

熊本にとって大きかった事件は、大洋デパート火災ですね。

死者だけでも104人、その衝撃は大きかったようです。

その後、知人が関わったこともあり、印象深い事件でした。

 

記事を振り返ってみても、凄惨な殺人事件が続発したことには驚きます。

長崎市長の銃撃事件と言うのもショッキングなものでした。

 

災害では、雲仙普賢岳の噴火と火砕流でしょうか。

あの火砕流のシーンは圧倒的なものでしたが、その後いろいろと本を読んでいく内に、「あれは”大”火砕流ではない」ということを知りました。

 

もう今では遺跡扱いのようですが、炭鉱というものがまだ現実のものであったということも忘れそうになってしまいます。

炭鉱でのガス爆発事故というものも、そのちょっと前の三井三池鉱の炭塵爆発に続き、大きな災害でした。

読売新聞がその取材でスクープを取ったと言うことが、幾分かは誇らしげに書いてあるのも仕方ないことでしょうか。

多くの人の生命を奪った炭鉱も今では想像もできないような状況です。

 

50年と言う期間で、全国の出来事を見てしまうとあまりにも大きすぎますが、九州だけに限って見るとまとまったものとして、分かりやすく見えるのかもしれません。

 

九州の事件五十年―一九六四‐二〇一四年

九州の事件五十年―一九六四‐二〇一四年