爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「間違いだらけの山登り」岩崎元郎著

登山家で中高年登山についても様々な活動をしている岩崎さんが主に中高年向けに登山の安全について解説されているものです。

2004年を取ってみると、遭難者のうちもっとも多いのは60-64歳で、40歳以上を取ってみると遭難者の8割以上を占めるそうです。
これは中高年登山者が難度の高い山に登るようになったからというわけではなく、近郊の低い山でも遭難するという例が多いようです。

若い頃に本格的な登山をした人達が再度始めたというだけでなく、ほとんど経験の無かった人達が時間が取れるようになったからといって始めるということも増えたようで、基本的な知識や体力も無い人も登り出すということもあるようです。
地図とコンパスというのは登山で必需のものですが、その認識も無く地図を持たずに山に来る人もいるようです。GPSも有用ですがそれだけでは危険性があるそうです。
また、登山計画書を提出しておくというのは基本的なルールですがそれも守られていないそうです。提出率は1割にも満たないとか。携帯電話がつながる範囲が増えたため安易に救助を呼ぶということもあるようです。

「行かないで後悔するより行って後悔する方が良い」というのはよく言われることで、著者もそう信じてきたそうですが、最近の中高年登山に関しては逆に「行かないで後悔する方がよほどまし」という事態が多いようです。もしもの事故の際には後悔しても足りない状況に簡単に陥いるようです。

私も山は好きなのですが、本格的な登山というのはこれまで行ったことがありませんでした。魅力は感じますが、やはり近づかない方が安全でしょう。