爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「長野県人」藤森栄一著

著者の藤森栄一さんは諏訪市出身の考古学者で、長野県考古学会の発展に寄与されたということで、藤森賞という賞も作られているそうです。
この本は考古学もさることながら、有史以降の文書記録により長野県の人物について記されたものであり、著者の広い歴史観をあらわしています。
いろいろと知らなかったことも多いのですが、諏訪氏を中心に回ってきた平安・鎌倉までと、その後の戦国時代など、郷土史と言う細かい範囲の歴史から長野全体まで良くまとめられていると思います。
なお、県民歌の信濃の国には歌詞の中に、仁科五郎信盛とありますが、本書には仁科五郎盛信となっていてどうしたことかと思いました。どうやら両方名乗っていた可能性があるようです。何らかの時に改名して逆さにしたようです。
武田攻めの際に高遠城を守っていましたが、討ち死にしました。戦わずして開城してしまった城も多かった中で、目立つものだったようです。