爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「黄泉がえり」梶尾真治著

あの有名な映画の原作です。最初は熊本日日新聞掲載だったとは知りませんでした。熊本の人でないと位置関係がわかりにくいところもあるかもしれません。
現象はともかく、その原因というのはSF的なものになっていたようですが、最初の新聞連載時にはぼかしてあったそうです。一般には判りにくい点かもしれませんが、全体の筋を通すには必要なものでしょう。
構成は同じ現象を通して何人もの登場人物の状況を並立して述べていくと言う、極めて映画的なものになっています。初めから映画化を考えていたのかどうか。

登場人物の一人は熊本市ではなく八代市出身でしかも代陽小学校卒という設定で、非常に身近なものになっています。熊日新聞愛読者にとってはその辺かなり幅広くくすぐりの種も混ぜてあるようです。