山岳関係のフリーライターで「山と渓谷」誌にも執筆していると言う著者が、山岳遭難の大きな部分を占めている道迷いについて、実例を挙げたものです。
遭難では滑落や雪崩といったもので亡くなる人も多いのですが、道迷いというものは登山者がそれぞれ注意することで相当防げると言うものなので、著者にはそれを少しでも防ぎたいと言う意識があるのでしょう。
道迷いの実例を見ていると、まず経験不足、準備不足が明らかです。というか、経験豊富なら準備も十分にしなければ山に入りませんので同じことかも知れません。
そのような人々が山の中で天候不良などのアクシデントに会い状況がどんどんと悪化していく中で間違った道をたどります。誰もがいつかは「間違えた」ことに気付きますが、そこで次の鉄則「間違えたら元のところに戻る」を選べず、さらに鉄則「絶対に沢に降りない」を犯してしまいます。
助かった人は本当に運が良かっただけと言う例がいくつも重ねられます。通信が発達しヘリコプター出動も容易になった現在でもそういえます。
特に中高年登山者が危険なようです。危なかった実例を少しでも自分のものとして考えて、安全な山行を願いたいものです。