爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「アイスマン。ゆれる」梶尾真治著

今回の梶尾さんの著書は、男女の仲を取り持つという呪法を中心に、おそらく30歳前後の3人の独身女性と久し振りに熊本に戻ってきた高校の同窓の男性を描いたものです。
主人公の女性の病身の母親との葛藤、友人たちとの交流など、設定は日常ではありえない状況ですが、それが実際にあるという仮定を作り出しその中で彼女たちがどのように振舞うかということをきれいに描き出すことで不思議なリアリティーを作り出しているのが魅力です。

しかし、熊本市内中心部の地名がなんの注釈も無くぽんぽんと出てくることも熊本をよく知るものとしては新鮮で面白い感覚です。
東京も良く知ってはいますが、東京が舞台の話を聞いてもこういう感覚にはなりません。