爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「日本の地名」谷川健一著


民俗学の研究者の谷川さんの書かれた地名の本です。
現在の地名は普通漢字表記されていますので、その語源となった地勢や産業などの特徴が隠されてしまった例が多いようです。
たとえば中国地方にある「エキ」と読む地名は元々は谷の奥から水が湧き出るところを指し、農業の始めの頃に人が暮らし始めたところのようですが、現在の地名では浴・溢・惠木などいろいろな字が当てられており、その漢字に釣られて解釈すると的外れになるとのことです。

このような民俗的な面から、黒潮をたどった漁民の歴史、中央構造線に沿った山暮らしの民族のつながりなど、現在の表面的な歴史解釈からは忘れがちな視点を気づかせてくれました。