爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「ダルタニャン物語7 ノートルダムの居酒屋」アレクサンドル・デュマ著

マザランが亡くなり、ルイ14世はいよいよ親政を始めます。そこで登用したのがマザランに仕えて経済政策を準備していたコルベールです。コルベールの目的はそれまで財務卿として国の財政を一手に取り仕切り、当時の悪弊として多額の国費を私蔵してしまった…

教育論「望ましい職業教育」

あまり幼い頃から将来の職業に対応した職業教育のコースを分けて実施していくと言うのは社会階層の固定化という面が強くなるので反発も大きいでしょう。しかし、現状の日本のような一部の資格教育以外はすべて一般教養だけの教育ともいえる状況はあまりにも…

「わが友マキアヴェッリ」塩野七生著

君主論のマキアヴェッリと言う名前だけは広く知られているはずですが、その実体についてはほとんど知られていないであろう、マキアヴェッリについて、3部に亘り書かれたものです。 これは第1巻で、マキアヴェッリは何を見たか、第2巻は何をしたか、第3巻…

「ヤミナベ・ポリスのミイラ男」梶尾真治著

梶尾氏の宇宙ドタバタSFと言って良いシリーズ物です。1988年から1989年にかけてSFマガジン誌に発表されたもののようです。 黄泉がえりなどとは全く作風が違いますので、戸惑う方もいらっしゃるかも知れません。どこまで本気で、ドタバタ要素を放り込…

教育論「全国学力テスト」

ちょっと飛び込みの話題ですが、全国学力テストの結果が出たということで。どのような「学力」を調べたかと言う点については全く報道は無かったので、一応聞いたとおり、基本的なものと応用的な問題を出したということですが。ニュースに流れたものはやはり…

「ダルタニャン物語6 将軍と二つの影」アレクサンドル・デュマ著

ダルタニャン物語も第3部ブラジュロンヌ子爵に入ります。前作より約10年後、ルイ14世は成年になり、マザランからの独立を切望していますが、まだ果たしていません。 ダルタニャンは前作で近衛銃士隊隊長という約束を貰いますが、それは空手形となり副隊…

教育論「教育と職業訓練」

学力が高いと言われている北欧などの国では、低い年齢での教育コース分けで職業コースへ進む生徒も多いようです。職業コースと言ってもそのコースの大学に相当する高等教育もあり、職業によってはそのような学校卒業の資格がないと職に就けないような仕組み…

「金融緩和の罠」藻谷浩介、河野龍太郎、小野善康、萱野稔人著

津田塾大学准教授で、哲学博士という萱野さんが、現在の政府の金融緩和策に批判的な3人の方と対談した内容を今年の4月に出版したものです。 大胆な金融緩和ということで実施されている現在の政策ですが、熱狂的に受け入れられている割には概念があまりにも…

「ダルタニャン物語5 復讐鬼」アレクサンドル・デュマ著

ダルタニャン物語第二部の二十年後の部分も最後です。クロムウェル軍に捕われたイギリス国王チャールズ1世を救おうと、4人の銃士は色々の策を試しますが、その甲斐なく国王は処刑されます。その動きはクロムウェルとその部下で国王や4銃士に復讐の念を強…

教育論「職業教育、一般教育」

社会人として必要な能力が職業によって大きく異なるならば、中学や高校など早い時期からの職業教育が必要かどうかと言う問題になってきます。 現在の日本の教育では、高校でかろうじて工業高校、農業高校、商業高校などの職業別の課程を持つ高校がありますが…

「英語の不思議再発見」佐久間治著

予備校の英語講師を長らくやっていらっしゃる佐久間さんですが、英語の歴史的な変遷には相当詳しいようで、さまざまな英語に関する疑問を歴史的な事実から説明されています。 英語に関しては、いろいろな点で例外や特殊な活用、綴りなど変なところがあちこち…

教育論「リーダーシップ」

ちょっと外れるかもしれませんが、今日の新聞から。 リーダーシップと言うのは必ずしも組織のトップに必要なだけでなく、社会のあらゆる場所で生まれる人と人とのつながりの中で、人間関係をスムーズに進めるために必要なものだそうです。よく見る風景ですが…

「日本はなぜ貧しい人が多いのか」原田泰著

元経済企画庁で調査関係の部署を歴任し、その後大和総研に転じた原田さんが経済の現状について一般に思い込みが強いが実は違うということを多くの点について解説しているものです。膨大なデータを元に、これまでも数多くの論文を発表されているようで、引用…

高校野球甲子園大会終了

夏の甲子園大会は前橋育英高校が初出場初優勝と言うことで終了しました。宮崎県勢はまだ一度も優勝したことがなかったのですが、残念でした。準決勝は東北から2校残っていたと言うことで、東北勢初優勝なるかと言われましたが、こういう話になるとどうして…

「宗教聖典を乱読する」釈徹宗著

浄土真宗の住職にして大学教授その他も兼ねて活躍している釈さんが、仏教だけでなく各宗教の聖典を解説したものです。 取り上げた宗教は、ヒンドゥー教、神道、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教です。 各宗教それぞれに色々な特徴はありますが、キリ…

教育論「学校で能力アップ、特に英語力」

考えながら書いていますので、論旨の乱れや重複等、自分でも嫌なくらいあるようですが、そのうちまとめます。とりあえずうわ言のようになりますが、お許しください。就職率抜群の大学として有名な大学(主に地方の小規模大学)があります。すべて英語の授業…

「海の都の物語6」塩野七生著

ヴェネツィアに関する物語も最終話になりました。没落から滅亡までです。 スペインやポルトガルによる大航海時代になってもすぐにはヴェネツィアの没落は始まりませんでしたが、やはり徐々にその国を蝕んで行ったようです。それまでの交易のみで生きてきた体…

教育論「やっぱり能力をつける教育」

表題が同じようなものになってしまっているので、分かりにくい限りですが、徐々に整理していければと思います。生まれながらの能力、学校以外で付いた能力、学校で教えられて付いた能力などいろいろあるでしょう。勉強以外では習い事やスポーツなどでも様々…

「99.9%は仮説」竹内薫著

ミステリー作家、科学ライターという竹内さんですが、ちゃんと物理の博士号をお持ちの方のようです。 飛行機が飛ぶというのは理論的にきちんと説明されていないと言う導入部で引き込まれます。 その飛行理論というのはすべて仮説であり、場合によっては別の…

「健康不安社会を生きる」飯島裕一著

信濃毎日新聞編集委員の飯島さんが、現在の”健康”事情について様々な専門家と対談し、新聞での特集とした記事をまとめたものです。 健康をめぐる事情はかなり複雑な様相になっており、それが大きな商売になると言うところから日本を代表するような大企業でも…

温暖化でリンゴが甘くなる??

今日の新聞やテレビニュースでかなり大きい扱いで農業・食品産業技術総合研究機構などが出すと言う論文を紹介です。どうやってそんな話をまとめたかと言うと、どうやら30年くらいのリンゴの分析結果と気温のデータをつなげただけのもののようです。 ほんと…

教育論「必要な能力が教育で身につくのか」

もちろん、一見すぐには社会に役立たないという人材もあると考えられます。科学全体が発展することが科学そのものの質を高めることでしょう。その意味で現在のように大学においても金儲けができる分野ばかり優先されるような状態ですが、そのうちに科学界全…

教育論「そもそも現代で社会人として生活していくにはどのような能力が必要か」

よく言われることに、一流大学を出てきても仕事がぜんぜんできない奴が多いということがあります。現在の大学までの入試突破の競争は熾烈なものとなっており、生半可な対応ではなかなか一流校への志望もできないという状況ですので、それを通って卒業してき…

「精霊探偵」梶尾真治著

今回は異種侵略物です。これもかなり定型化していますので、いかに平常の生活をリアルに描くか、そして侵略がどのように静かに浸透する様に進むかというところでじわじわと恐怖を高めるかというところで作者の力量が問われるようです。 その意味ではさすがに…

教育論「教育によって付けられる能力は何か」

しばらく教育に関して連載をします。 人間に必要な能力と言うものは多岐にわたります。生まれながらに持っているものもあり、家庭で育つ中で身につくものもありますが、学校などの教育の場で身につく能力もあるでしょう。(でなけりゃ学校の存在の意味があり…

昨日の熊本ローカルニュースから

先週土曜以来、熊本に限らず日本のどこの田舎も年に2回の帰省シーズンに入っていますが、12日にはそれに特有の事故のニュースがありました。 1件は全国でも放送された、阿蘇での祖父さんの車に乗った孫2人が自損事故で死傷というものでした。もう1件は…

「ダルタニャン物語3 我は王軍、友は叛軍」アレクサンドル・デュマ著

ダルタニャン物語の第2部、「二十年後」は全11巻の講談社文庫版では3,4,5に当たります。1,2の三銃士の部分は様々な訳本がありますが、二十年後の部分はこの鈴木力衛訳版だけだということです。 舞台は前作から20年経ったフランス宮廷です。前作…

「ダルタニャン物語4 謎の修道僧」アレクサンドル・デュマ著

ダルタニャン物語第2部、二十年後の2巻目になります。この第2部の重要登場人物である、ミレディーの息子モードントが登場し、大活躍します。 クロムウェルの側近として重用されているモードントはフランスのマザランのもとに使いに出され、その途中で偶然…

「世界地名の旅」蟻川明男著

高校の地理の先生と言う蟻川さんが世界各国の地名について研究されたものを記したものです。 あとがきにもあるように、現在の地名というのは国によっては数千年の歴史があるものもあり、その過程ではいくつもの民族が移り変わってきたところもあります。もは…

「波に座る男たち」梶尾真治著

落ち目のヤクザが組をたたんでクジラ漁を始め、それに借金をしていた料理人と老人のスナイパーが絡み東シナ海で漁をするのに、さらに暴力団も真っ青の超暴力的な動物愛護団体や台湾マフィアが登場すると言うドタバタで、まあ有り勝ちな設定かと思います。 最…