爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「海の都の物語5」塩野七生著

ヴェネツィアの歴史も5巻に入り、衰退の兆候がでてきました。 スペインやポルトガルという海運では新興国が、アラビアと地中海を経由する従来の交易ルート以外のルートを開発するということになり、ヴァスコ・ダ・ガマがアフリカ南端をめぐるインド航路を発…

「アホな客」お客様行動研究会編

接客業で困りもののアホな客というものの話は良く聞きますが、これはそういったものを担当者側からの聞き書きという形で面白おかしく並べたもので、まあ気楽な読み物です。それにしてもどの程度本当の話かも分かりませんが、話半分でもひどいものです。かな…

「戦わない知恵戦国策」遠藤嘉浩著

著者は商社で木材取引をやっていたという、本職の研究者ではない方ですが、相当こういったことがお好きだったのでしょう。内容・解釈に新味はありませんが、的確な解説をされているようです。 戦国策は中国の周代末期の群雄割拠の時代の様々な人々の言行を記…

「ゼロの焦点」松本清張著

SF以外の現代小説はあまり読まないのですが、自分自身が少し前まで金沢に行っており、そのときにこの小説の再映画化があってロケをしたと言う話を時々ローカルニュースで見たりしたので、図書館で見かけてそのまま借りてきました。 舞台はほぼ金沢周辺です。…

「王莽 改革者の孤独」渡邊義浩著

中国古代史専攻の大東文化大の渡邊教授が王莽について書かれたものです。 王莽は前漢の末期に政権に近づき、周到な手段で簒奪して新という王朝を立ててしまいますが、その政策はすぐに破綻して赤眉の乱を招き、後漢の復活に至りました。 そのためか、中国で…

「飛行機の操縦」坂井優基著

飛行機パイロットを長く務め、また操縦の教官として多くの操縦士を育てたと言う坂井さんが飛行機操縦の実際を細かく説明したものです。 おおまかなところはこれまでにも聞いたことはありましたが、それをはるかに越える詳しい内容でした。コンピュータのフラ…

「海からの世界史」宮崎正勝著

北海道教育大学の宮崎教授が世界史を海の側からまとめなおして記述したものです。 このところの読書傾向として、ローマやヴェネツィアなど、地中海を中心とした交易国家の歴史も見てきたので海からの歴史観というのもある程度は分かっていたこともありますが…

「ダルタニャン物語2妖婦ミレディーの秘密」アレクサンドル・デュマ著

ダルタニャン物語2、三銃士の部でも2番目が妖婦ミレディーの秘密です。新教徒の反乱でラロシェル包囲戦に国王自ら臨みますがなかなか決着がつかず、イギリスはバッキンガム公爵が大船団を率いて参戦する構えを見せます。それを阻止するために枢機官はミレ…

「海の都の物語4」塩野七生著

ヴェネツィアについての物語の4巻は宿敵トルコについて、そして十字軍国家崩壊のあとにかえってシステム化されたエルサレムへの巡礼旅行をヴェネツィアがあたかも現代のパック旅行のように扱うということについての記述です。ジェノヴァはかなり長期に亘り…

「壱里島奇譚」梶尾真治著

天草のはるか西の孤島(もちろん架空の島ですが)壱里島というところを舞台に、そこの守り神のような存在が、過疎化に悩む島を救おうとして核廃棄物最終処分場に手をだし結果として島を滅ぼしかけた人々に対して働きかけ、あるもの、ないもの様々なものを繰…