爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

教育論「教育と職業訓練」

学力が高いと言われている北欧などの国では、低い年齢での教育コース分けで職業コースへ進む生徒も多いようです。職業コースと言ってもそのコースの大学に相当する高等教育もあり、職業によってはそのような学校卒業の資格がないと職に就けないような仕組みになっているそうです。
日本では高校で工業・商業・農業・水産などの職業教育のコースがありますが、それを出ないと就けないという職業資格はなく、内容も即戦力とまではいかないでしょう。
大学はそのような職業向けの教育内容にはほとんど背を向けているように見えます。ごく一部の大学で以前に触れた英語コミュニケーション教育がなされているようですが、これも厳密に言って職業教育と言えるのかどうか不明です。

日本における職業教育は、高校卒業者対象の専門学校と言われる学校群があたりそうです。国家資格取得のものもあれば、私的な資格のものもあり、年限も1年から長いものまで千差万別のようです。
このような教育がメインルートの小中高大の公的教育になじむかと言うとかなり難しいものでしょう。まず、スタート年齢も高卒の18歳ではなく中卒の15歳とした方が効率的ですが、高校までは普通教育と言う風潮が強く、取り入れることは難しいでしょう。また、教育内容も現実の職業に対応していくのは公教育機関には難しいことでしょう。

日本の普通高校、普通大学(とは変な言い方ですが、資格取得コース以外の一般文系大学および汎用知識取得の理系大学と思ってください)というのは、産業界の都合は無視して一般教養取得のみを目的化しているようにも見えます。
そのような学校の卒業生がそのままグローバルな企業で活躍できる人材となりえるかと言うと確かに疑問ですが、もしもそういった学校がすべてグローバル人材育成教育を始めたらどうなるでしょう。それもまた怖ろしい社会になるような気もします。