少子化がどんどんと進んでいる一方、その対策がなかなかできないままです。
その原因についてYoutuberのすあし社長という人が書いた本を元にした記事が出ていました。
gendai.media
日本では「子どもを持たない」ということが合理的になってしまったということです。
その根本原因を、職業の不安定化、ジェンダーギャップ、そして教育費の高騰(公的扶助の欠如)としています。
しかしそのような条件というものはこれまでの歴史の中で前時代の方がはるかに厳しかったはずです。
それでも子どもを産み続け、しかし多くの場合は幼くして死亡していきました。
そういった時代の条件を考えていく必要がありそうです。
日本の道徳や宗教というものは独自のものもありますが、多くは中国の影響を受けました。
それを儒教的道徳ということもありますが、実際には儒教が確立した中国戦国時代よりはるかに昔から中国の地に生きた人々に信じられてきたものです。
その根源が何かというと、「祖先を祀る」ということです。
そしてそれは血統を継いだ男子が行うものとされていました。
この点はそれを受け継いだかのようにみられる日本とは大きな違いがあります。
日本では血統をつながない養子でも家を継ぎ祖先の祀りを行うことができました。
それは中国では認められず、男子が継がない家は絶え祖先は妖鬼となりました。
そのためか、中国では男子誕生がより強く求められたため、家を守る必要のある富家では多くの妻妾を持つこととなりました。
そのため、祖先を祀ることを継続し、やがてはその祀られる祖先の一人として自分自身がその中に入ることが当然であり、子どもを産むこと、それも男子を設けることが必須でした。
日本ではその規範がやや崩れてしまったかのようですが、それでも子どもを作り家を継がせることは道徳の基本でした。
そのような道徳は今は全く残っていません。
先祖の祀りなどということも意識する人はどんどんと減少しています。
そうなれば、子どもを作るかどうかということは「経済的」に考えるという人も増えてくるでしょう。
そんな中では「経済的勘案」で子どもを持たないという選択は当然あり得ます。
もう一つは「親自身の経済的事情」でしょう。
上記のような中国伝来の家というものを守る規範という以外に、家というものが前代までは経済の基盤でした。
公家、武家などではもちろん家、一族というものが政治的経済的集合体であり、それを血縁で守っていくことは当然でした。
それ以外にも農業、商業、工業等々の産業を支える人々も家、一族単位での操業が当たり前。それを離れると何もできないことになりました。
その中では一部に血縁外の使用人が入ることはあっても主要部分は血縁の人々で占められていました。
このような団体が存続していくためにも血縁である子どもを産んでいくということがその団体を維持していく必須条件でした。
そこには子どもを作らないという選択肢はありませんでした。
そのような経済構造は明治以降どんどんと崩れていきましたが、就業が個人単位となってもやはり家族一族の一体性というものは簡単には意識の中から消えることはなかったのでしょう。
特に家族の中で働き手が男性家長一人という労働形態では家長が養う人、それ以外は養われる人という身分制だったのでしょう。
(一家単位の業務形態の農業商工業ではそれとは異なりますが、支配層の意識が広まったのでしょうか)
そこでは働けなくなった老人は隠居という形で支配権を譲り、養われる側に移行しました。
隠居を養うのは次の家長の当然の義務でした。
それが家としての職業でなくとも、個人的就労であっても簡単には家意識が無くなることはなかったのでしょう。
しかし現代では家単位の職業というものはほぼなくなってしまいました。
農業や小売業、家内工業でも子どもが職業を継ぐこともほとんどなく、自由に進路を選択するのが普通かのようです。
そうなれば子どもが親の代わりを受け継ぐという意識もなくなり、勝手にやりますということになるでしょう。
そして、ここに冒頭に挙げた意見の「給与水準の低下」がようやく絡んできます。
子育て世代の収入充実などということは言われますが「親介護世代の収入」にはほとんど意識が向きません。
親世代は勝手に自分の年金や貯金でやっていけというのが通常の道徳となってしまいました。
国民年金だけしかない人はほとんど自立は不可能ですが、それでも親を子どもが援助するというのが普通ではなくなっています。
現代の老親世代を見ている現役世代がどう思うでしょう。
もはや自分たちがやっているように、親の面倒を見るなどと言うことは期待できなくなれば、自分たちも子どもを産み育てて余計な金を使わずにせっせと自分の老後に向けて貯金し投資して財産を増やしておく方が確かな事ではないか。
こういった全世代の意識の方向性が高まれば、どう転んでも少子化は進むばかりでしょう。
その対策?
年金というものを全く廃止するか。
そうなれば子どもが親を世話しなければ親世代は貯金が絶えれば生活できません。
まあ今さらそんなことを言っても変えようもありませんが。
もう日本なんて大地震で滅亡するか、何とか有事に巻き込まれて滅亡するかしか残されていないのかも。