爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

ノルウェーのサバ資源管理は日本と何が違うのか

ノルウェー産のサバは品質が良いと評判ですが、それはなぜなのか。

日本の漁業の資源管理というものがいかにおかしいのか。

片野歩さんという方が詳しく解説していました。

toyokeizai.net

この記事の最後の方に箇条書きで要点がまとめられています。

① 科学的根拠に基づく漁獲枠の設定と漁業(巻き網・定置他)ごと、漁船ごとに漁獲枠を設ける。

ノルウェーでは漁船とごとに漁獲枠が科学的に設定されており、その達成率はほぼ100%となっています。

つまり漁獲枠に達したところで操業を止めるために達成率100%となることになります。

しかし日本では漁獲枠がまるで「目標値」のようになっています。

したがって、それに達しないのが当たり前。そのような過大な漁獲枠設定が当然のようになっています。

「自主的な管理」などはうまく行かないというのは明らかです。

必ず獲り過ぎになることになります。

 

② 3歳未満のサバの漁獲を禁止する。混じっても数%という厳しい制限を付ける。

これも当然のことなのですが、日本ではほとんど守られていません。

そのために資源が減り続けることになります。

 

③ サバは食用で99%になるようにする。養殖マグロのエサ用枠は別途設ける。

上記②とも関係しますが、大きい魚しか食用として出荷できないのですが、ノルウェーでは漁獲の99%がその大きさに達しているので食用として出荷されます。

しかし、日本では小さい魚を獲っているために全量を食用出荷とすることができず、なんと52%を養殖の餌用として使っているとか。

このようなことをしていては資源が減り続けるのも当たり前ということです。

 

最後に、漁業専門家が「日本とノルウェーは違う」といったコメントを発することがありますが、これに対しても厳しく批判しています。

ノルウェーと違うのは漁業資源管理が甘すぎるということだけです。

 

資源管理をきちんと行う漁業というものが必要とされているのでしょう。