爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「内田樹の研究室」より「図書館の戦い」

内田樹さんのブログ、「研究室」で取り上げられた話題です。

図書館の苦境について。

blog.tatsuru.com

内田さんはしょっちゅう講演を依頼されるそうですが、最近図書館関係で2回続けて講演をされたそうです。

 

図書館はどこでも最近は非常に厳しい状況に置かれています。

コストカットを迫られ、成果を数字で出せと脅されても、「図書館の成果」などと言うものは目に見えるものではありません。

 

しかし、図書館の司書の方々にとって一番辛いのは、

「どういう本を配架するかについて市場原理を押し付けられることだ」

ということです。

つまり、利用者が読みたがる本だけを置け、閲覧実績のない本は廃棄しろといった指示を受けることです。

 

それはおそらく「ベストセラーだけを置け、そうすれば利用者が増える」といった短絡的な考えから来ているのでしょう。

 

内田さんの図書館の思い出には「読みたい本がこんなにある」というよりは「読むことができない本があまりにもたくさんある」ということを自覚させられたということだそうです。

 

私も会社退職以来図書館に通い続けていますが、まだまだ読んだこともない本が多数あります。

年間200冊弱の本を図書館から借りて読んで、このブログに読書記録を書いていますが、それが10年以上続いています。

それでもせいぜい2000冊、まだまだ多くの本には触れてもいません。

そのような存在であるのが図書館というものなのに、何か変な基準を押し付けてくるのが最近の風潮なんでしょう。

これは、大学に市場原理や競争を押し付けるのとも同根でしょう。

結局は文化というものを台無しにして、何も残らなくなるのでしょうか。