爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「熊本県の歴史散歩」熊本県高等学校社会科研究会編

山川出版社は「歴史と教科書の」と謳っているように、それに特化した業務内容となっています。

その中で、この各県の歴史散歩というシリーズは非常に細かい事例まで拾い上げるという方針か、編集も県の高等学校の先生方でつくる「社会科研究会」という所に任せています。

手元にある本は1974年に初版発行というものですが、現在でも引き続き改訂され発行されており、今売られているものは2010年のものです。

 

歴史を見ていくということは、日本史でも全国に目を広げて大きな視点からも必要でしょうが、各地で市町村単位で考えていくのも大切なことで、またそれが趣味という方々も多く地元の歴史愛好家が集うグループもあります。

また、その中でも学校の歴史の先生という方々の役割も非常に大きいものです。

この本ではそういった高校の歴史教師という人々が、熊本県の各地の歴史とその遺構、遺物について記しており、実際にこの本を手にして歩けばかなり深い歴史探訪ができるでしょう。

 

熊本県も歴史的には古代から文化が栄え、有力な豪族の発展もあったようで、古墳群が各地にみられ、重要な遺跡も存在します。

その後は有力な大名が育たなかったせいか、戦国時代には少し影の薄いように感じられる時代もありますが、それでも各地で多くの戦闘が行われていました。

江戸時代にはかの有名な天草島原の乱の一つの舞台となり、その後は細川藩の治世のもと繁栄したころもありました。

明治初期の西南戦争における熊本城攻防と植木・田原坂方面の戦闘も大きな事件だったのでしょう。

そういった歴史の数々が、少し町を歩けばどこかに感じられる、それが「歴史散歩」の醍醐味なのでしょう。