爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「図説 歴代アメリカ大統領百科」DK社編、大間知知子訳

今回のアメリカ大統領選挙は特に興味を集めたのですが、そういえばこれまでの歴代大統領で名前だけでも知っているのはわずかなものだなと感じます。

そういった人向け?の、歴代アメリカ大統領一人一人についての略歴やエピソード、有名なファーストレディーホワイトハウスについてなど、アメリカ大統領についての概要を豊富な写真や絵を添えて見せてくれる本です。

 

さすがに22代クリーブランドまでは肖像画やイラスト、23代ハリソンからは写真でした。

 

20世紀に入ってからの人々はさすがに名前だけは聞いたことがありますが、それ以前の大統領の中にはまったく名前も知らないという人も多いものです。

 

ビューレン、ポーク、ピアース、ジョンソン(アンドルーの方)、ヘイズ、アーサーといった名前は初めて聞きました。

 

大統領選挙が接戦となるというのは最近では毎回のように起きていますが、1860年のリンカーンが当選した際の選挙も混戦だったというのは知りませんでした。

リンカーンは一般投票で40%の票しか獲得できなかったそうです。

しかし、対立候補民主党から2人、立憲連合党という政党から1人乱立し、そちらで票が別れたために、選挙人の過半数リンカーンが抑え当選できました。

これが共和党の初めての大統領となったそうです。

 

現在では大統領の任期は2回までとなっていますが、もともとは憲法の規定がなくジョージワシントンが2期を務めて引退したために慣例として2期までとなっていました。

しかし、第2次大戦の混乱時にフランクリン・D・ローズヴェルトが4期目の選挙に勝利を収めたことで激しい議論が起こり、結局3期以上務めることを禁止する合衆国憲法修正第22条が可決され、その後は2期までということになりました。

 

副大統領というものは、正式な権限はほとんど規定されておらず、ただ上院議長として議案に対する賛成と反対が同数となった場合に決定する権限があるだけなのですが、任期中の大統領が死亡または辞任した場合に大統領を引き継ぐということが決まっています。

この例がけっこう多いようで、リンカーン暗殺後に就任したアンドルー・ジョンソン、ガーフィールド暗殺後のチェスター・アーサー、ハーディング急死後のクーリッジ、フランクリン・ローズヴェルト病死後のトルーマンケネディ暗殺後のリンドン・ジョンソンなどがいます。

それだけ暗殺などが多いということなのでしょうが、今回もしバイデンが就任しても最後まで持たなければあの副大統領が大統領になるのでしょう。

 

大統領出身州の一覧も載っていましたが、まだ西部出身というのがほとんど無いということです。

東部出身が非常に多く、一番多いのは8人のヴァージニアでした。

 

いやはや、知らないことがまだまだ多いものです。