いつも熟読しているFOOCOM.NET専門家コラムですが、長村洋一さんが健康食品の品質問題について書かれています。
冒頭には、今大きなニュースとなっている、免震用ダンパーの検査データ改ざん問題について書かれており、技術者の品質意識を問題としています。
この数年だけ見ても、神戸製鋼や日産自動車、スバル等々、工業生産部門での品質管理のずさんさが摘発されています。
こういった問題は、健康食品分野にも頻発しています。
長村さんは、現在、一般社団法人日本GMP支援センターの業務に関わっておられるということで、これは医薬品などのGMP(Good Manufacturing Practice)についての助言を各企業に行うという業務を実施しているそうですが、多くの企業で問題を抱えているようです。
2016年に、日本サプリメント社が販売したトクホに有効成分が表示通り入っていないという事例があり、消費者庁がトクホ認定を取り消すという事態になりました。
その際に、消費者庁がトクホ販売をしている全社にこのような事がないかを尋ねたところ全社が「ない」と答えました。
しかし、消費者庁はその後買い上げ調査を実施したところ、7社中2社に該当事例がありました。
それを公表したところ、その翌年には違反事例が無くなったそうです。
これは、会社規模も大きく「まだマシ」のはずのトクホ販売企業についての話です。
それよりはかなり怪しくなる「機能性食品」販売企業ではさらに状況は悪いでしょう。
そして、それにすら当たらない「単なる健康食品」においてはもっとひどい状態であることは簡単に推測できます。
これら「いわゆる健康食品」には、GMPの採用も義務付けていません。
こういったことに金を使うより、宣伝を一所懸命やったほうが儲かると言う状態で、昼時にテレビでも見ればこういった食品のCMが続けざまに流れています。