プエラリア・ミリフィカという、タイなどで採れるマメ科の葛の一種で、バストアップの効果ありとして健康食品で売られているものに、多くの健康被害例が発生しているということは、以前にも渡辺宏さんのサイトで見かけて取り上げました。
FOOCOM.NETの専門家コラムでは、消費生活コンサルタントの森田満樹さんも記事を書いています。
ヨーロッパや韓国では販売禁止とされているそうで、数年前からは消費生活センターに数多くの被害相談が寄せられており、本年7月には国民生活センターから消費者に注意喚起が行われています。
この情報をもとに国民生活センターでは、消費者が目にする機会の多い12商品についてテストを行い、7月13日にその結果を公表しました。商品テストで、植物エストロゲンとしてイソフラボン類よりも約1,000~10,000倍の強い活性があるといわれる「デオキシミロエストロール」「ミロエストロール」の量を測定したところ、製品によってバラバラであることがわかりました。身体へ作用を及ぼす可能性があると考えられる量を含んでいるものもあれば、全く入っていないものもありました。
これによれば、イソフラボンよりはるかに強い活性のある植物エストロゲンが含まれているものもある一方、まったく入っていないものもあると言う状況のようです。
つまり、商品によっては何の毒にも薬にもならないものもあるが、(これも詐欺同然で困りますが)、中には非常に強い作用を示すものもあるということで、非常に怖ろしいものであるということです。
しかし、これだけの事例が出ているにも関わらず、厚労省が主催した新開発食品評価調査会では販売禁止とまではならないそうです。
当然ながら、一部委員からは販売禁止処置が当然であるという意見が出ているのですが、他の委員からはそこまで重篤な副作用は出ていないとか、全商品を販売禁止するほどではないといった意見が出てまとまらなかったようです。
まったく、誰か死ななければ動かないんでしょうか。
副作用の表れ方というものは、個人によって大差があります。たまたまそういった人にこれまでは当たらなかったと言うだけであり、多くの人に重篤とまでは言えなくても健康被害が出ていると言う状況があればその危険性が推定されるのは明らかでしょう。
森田さんも次のように文を結んでいます。
プエラリア・ミリフィカを長期摂取することで何が起こるのかはわかりません。利用者が自ら体を張って人体実験をしているようなものだと思います。何かあっても、体は元には戻らない。そのことをもっと広く知ってもらいたいと思います。