巻頭に東京都立大学教授(当時)の高山宏さんが解説文を書かれていますが、あとはそれぞれの項目の専門家が紹介文を書くという形の、あまりまとまりは無い本です。
「奇書」といっても色々なものがあるでしょうが、本書で取り上げられているのは、
聖書学 死海写本、ダニエル書補遺等
偽書・暗号書
奇想文学
疑似科学・オカルト学・予言学
等々ですが、死者の書やギルガメッシュ叙事詩など、あまり「奇書」とは呼ばないようなものも紹介されています。
偽書・暗号書以降のものは、立派に「奇書」といえるものばかりのようですが。
一つの書物もせいぜい5-6ページでの紹介で、本文引用とわずかな解説だけですので、あまり詳しいものではありませんが、かすかな香りくらいは感じられるようになっています。
一つだけ偽書の紹介
18世紀フランスの「いかさま著作家」ジョルジュ・サルマナザール(本名不明)が書いた「台湾誌」という本があります。
しかし、実際の台湾とはなんの関係もなく、唯一実在の国として紹介されている日本の実状から、勝手に想像をして書いてしまったというもので、台湾語、台湾字も創作し、社会・風俗・動植物に至るまで適当に作り出して書いて世間を騒がせたそうです。
世界の奇書・総解説―書物がうみだす不思議の世界 めまいの渉猟百科特設図書館 (総解説シリーズ)
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- 発売日: 1998/04/01
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