爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「世界の奇書・総解説」自由国民社刊

巻頭に東京都立大学教授(当時)の高山宏さんが解説文を書かれていますが、あとはそれぞれの項目の専門家が紹介文を書くという形の、あまりまとまりは無い本です。

 

「奇書」といっても色々なものがあるでしょうが、本書で取り上げられているのは、

神話学 各民族の神話 ギルガメッシュ叙事詩死者の書も含む

博物誌と旅行記 プリニウス博物誌、山海経など

聖書学 死海写本、ダニエル書補遺等

偽書・暗号書 

奇想文学 

疑似科学・オカルト学・予言学

悪魔学

性文学

 

等々ですが、死者の書ギルガメッシュ叙事詩など、あまり「奇書」とは呼ばないようなものも紹介されています。

偽書・暗号書以降のものは、立派に「奇書」といえるものばかりのようですが。

 

一つの書物もせいぜい5-6ページでの紹介で、本文引用とわずかな解説だけですので、あまり詳しいものではありませんが、かすかな香りくらいは感じられるようになっています。

 

一つだけ偽書の紹介

18世紀フランスの「いかさま著作家」ジョルジュ・サルマナザール(本名不明)が書いた「台湾誌」という本があります。

しかし、実際の台湾とはなんの関係もなく、唯一実在の国として紹介されている日本の実状から、勝手に想像をして書いてしまったというもので、台湾語、台湾字も創作し、社会・風俗・動植物に至るまで適当に作り出して書いて世間を騒がせたそうです。