爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

IARCより、「甲状腺がんの患者増加は過剰診断」という研究結果発表

いつも参考にさせて頂いている、畝山智香子さんの「食品安全情報blog」8月19日の記事に表題の紹介がありました。

食品安全情報blog

 

IARCといえば、最近も赤身の肉が発がん性ありなどという研究結果を発表し物議を醸している機関ですが、WHO(世界保健機関)の外部団体です。

 

記事によれば、高所得国(先進国のことを最近はこう言うんでしょうか)でのこのところの甲状腺がんの流行は、過剰診断(その人が生きている間に発症したり死亡する可能性がほとんど無い腫瘍を検出する)によるものということが確かめられたそうです。

 

1980年代以降、超音波診断装置が導入されたアメリカやヨーロッパの国々では、甲状腺がんと診断された人が急速に増えました。

特にひどい例は韓国の2000年代のもので、2003年から2007年の間に甲状腺がんと診断された韓国人の90%は過剰診断と判定されました。

アメリカなどでも70%、日本でも50%が過剰診断とされます。

 

過剰診断であっても、そのように判定された人には全摘出手術が行われ、さらに放射線照射が実施されます。

そのまま放っておいても問題が無かった可能性が強いものが、明らかに身体に大きな負担をかけ、さらに病変をも引き起こす可能性がある医療行為が行われています。

 

この期間とそれ以前の期間とを比べても、甲状腺がんによる死亡者数はほとんど変化がないそうです。

何をやっているのか、非常に怪しいものです。

 

この件については内科医NATROMさんのサイトでも繰り返し問題にされています。

d.hatena.ne.jpもちろん、これはガン検診全体の評価にも関係してくるものですが、福島県での子供たちへの甲状腺検診についての問題にも関わってくるものでしょう。

 

ガンというものは一筋縄では行かないものだというのがまず強く感じられます。

その一つ一つに対して多くの労力を費やして討論していかなければならないのでしょう。