爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「出身地がわかる!気づかない方言」篠崎晃一+毎日新聞社

東京にいると様々な出身地から集まった人々の間で方言とは気付かないまま使ってしまう言葉を聞いてしまうということが多くあり、テレビ番組のネタにもなっています。
これを毎日新聞の生活家庭部の記者が取り上げて数々を蒐集したというもので、気楽な読み物なのですが、バカにならないところもあり篠崎晃一さんというのは東京女子大の教授で方言学・社会言語学専攻という人でして、その監修で調査をしたと言うことですので、ある程度の学問的な裏づけも取ったものということになっています。

方言というものは確かに共通語と違っていると言うことは皆わかっていることでしょうが、中には「それと気づかずに使っている」場合も多いようです。そこで、篠崎教授を中心に都会で「気づかずに使われている方言」を調査したと言うのが、通常の方言ネタのものとは少し違うということです。

東京で使われる気づかない方言ベスト10というのは次の通りです。
1 蚊にくわれる(西日本) 2 めっちゃ(関西) 3 なおす (片付けるの意味 西日本) 4 かしわ (鶏肉のこと 近畿・九州) 5 校区 (通学区域のこと 西日本) 6 フレッシュ (コーヒーミルク 西日本)
7 あおたん (あおあざのこと 北海道) 8ボールペンがつかん (書けない 中国・九州) 9 ドベ (最下位のこと 西日本) 10 カットバン (救急絆創膏 他にサビオリバテープなど)

毎日新聞紙面で、「あなたは共通語だと思っていたのによそで使って驚かれた言葉」を募集したそうです。そこに全国から1000件以上の情報があったのですが、典型的なのは北九州で使われる「離合」でしょうか。普通の言葉のようですが、狭い道を車がすれ違うことという意味で使われるのはその辺りだけのようです。
このように、典型的な方言ではなく形だけは共通語と同様でありながら、意味が少し違うという場合がこれに当てはまるようです。

当地熊本の例として載っていたのは「あとぜき」「きびる」「もだえる」などでした。なかなか味のある言葉ばかりです。