爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

トマ・ピケティさんの資本論

本日朝のNHKの番組ではフランスの経済学者トマ・ピケティさんの「21世紀の資本論」という著書が大いに売れているという紹介をかなり長い時間をかけて放送していました。

ピケティさんは経済格差の問題を研究してきたということで、この本も世界各国のここ300年の格差の状況を精査し、経済成長にともない資産家と労働者の収入格差が拡大し続けていることを明らかにしたということです。

このところ、いろいろ読んでいるほかの本でも資本主義が進むほど経済格差は広がるということが書かれていますので、間違いのないことなのでしょう。

また、トリクルダウン(おこぼれ効果)というものも存在しないと言うことも書かれているようです。
ともかく、日本語版が出版されるのはもう少し先なので期待したいところです。

番組では格差拡大に対してアメリカの資産家にも不安感を抱く人が出ており、最低賃金の引き上げなどの対策を取るように政治家に働きかけているとか。それじゃダメだろうとは思いますが。

ピケティ教授は対策としては資産家に対しての課税強化を各国連携で行うことだと書いているそうです。それが当然でしょう。
特に、保有資産に対してというよりはやはり経済活動(投資の収益)に課税するというのが極めて自然なことであり、それで相当緩和されるはずです。

しかし、これまた当然ながら資産家の間では課税強化には猛反発があり、それに支配されている政府でも動きは鈍そうです。
お決まりの反論では、「課税が重くなると経済活動が鈍くなる」というのがあるようですが、資本家の儲け主義の活動ならいくら鈍くなっても構わないと思いますが。

とにかく、これらの資本主義の怪物化になんとか歯止めをかけないと世界の不安定化は強まるばかりでしょう。今はまだテロに走る人々はごく一部ですが、その傾向は広がる可能性があります。