爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「資本主義消滅最後の5年」ラビ・バトラ著

非常な洞察力で数々の予測を立て、多くを当ててきたインド出身でアメリカ在住のラビ・バトラさんが、2006年に出版された予言書?です。
第1の予告、原油価格が1バレル100ドルを越える、第2、アメリカの景気は2006年後半から長期のリセッションに入る、第3、資本主義の消滅が2010年から始まる、第4、米中の冷戦が激化すると言う4つの予言がなされています。
原油価格は現在100ドルをはるかに越えています。ただし、それで運輸業者や農林水産業者が多数倒産すると言うまでには至っていません。
アメリカはこの本出版のすぐあとにサブプライムローン破綻ということになり、予言は半ば当たりました。その後息を吹き返したように見えますがこの先も多難でしょう。
資本主義消滅の兆候と言うのはあちこちにありそうですが、まだはっきりと分かるような形にはなっていません。しかし、いずれはそうなるでしょう。
米中の摩擦と言うのは、現在は日本が代わって代理戦争を始めていると言えます。これも実際はアメリカがやらせているようなものなのかも知れません。うわべではアメリカは日中に冷静を呼びかけるような姿勢を取って見せていますが、そんなものは仮面かもしれません。

2008年以降の大統領がクリントンかもしれないと言うのは、当時の雰囲気を考えれば仕方の無いことでしょうが、オバマだからといって何か変わったかというと結局一緒だったということでしょう。
グローバリゼーションというのが、国家の枠も越えた巨大企業の利益独占であるというのも的確な指摘であり、いずれはそれに対する反乱が世界中に広がることで資本主義というものも終わるのかも知れません。とはいえ、その先駆けはあるものの現在はまだ消滅とは行かないようです。