よく言われることに、一流大学を出てきても仕事がぜんぜんできない奴が多いということがあります。現在の大学までの入試突破の競争は熾烈なものとなっており、生半可な対応ではなかなか一流校への志望もできないという状況ですので、それを通って卒業してきた人はすごいと言うのが普通の感覚でしょうが、本当はどうなのでしょうか。
仕事の種類によっては大学卒業が条件のものもあり、例えば医師、薬剤師などですが、こういった職業は別として(がんばって入試突破してください)まあ普通の会社勤めで何か製品を企画し作って売り込むという仕事を考えて見ましょう。(大きな会社ではこれらを全部ひとりで行うことは少ないのですが、小さな会社を想定しましょう)
まず、自分の会社で作れる製品でどのようなものが市場性があるか、正確に調査する必要があります。このために必要な能力は、情報収集力、読解力、分析力、(実地調査の場合は)体力、コミュニケーション力などでしょう。海外でも行うなら語学力も必要です。
それらの情報を分析して売れる商品を考えるためには、想像力、企画力、分析力、知識、記憶力が必要となります。
考えただけでは実物になりません。もし製造部門が別の場合、または他社に委託する場合は、それを文書にする作文力、説明能力、交渉力などが必要になります。
これらをクリアして新製品ができてもそれで終わりではありません。販売努力もしなければ売り上げになりません。コミュニケーション力、説明力、さらに絶対に体力と精神力が必要です。
これらの能力が優れている人は確かに実社会でも大活躍できそうです。そこで問題となるのは、これらの能力は生まれつき持っているものなのか、それとも教育で付けられたものか、またこれらの能力の有無を正確に入試で判定しているのだろうかということです。
生まれつき素質のある人が、入試で選ばれてより高度な訓練を受け、いろいろな能力が優れた人材となって社会に出てくるというのが理想的な「社会に役立つ人材育成ができる教育」でしょう。