これも少し前の出版ですが、新しい歴史教科書をつくる会という連中が「新しい公民教科書」「新しい歴史教科書」を発表して文部科学省の検定を通過させ、さらに文部科学省が「こころのノート」という補助教材を配布したと言うことが2001年から続いて起こっています。それに対し作家の入江さんが問題点を糾明したものです。
「新しい歴史教科書」というのはある程度報道もされ、また採用するなどと言う動きも一部にあり問題化されていましたが、「新しい公民教科書」というのもあったというのは知りませんでした。見てみれば歴然ですが、歴史よりさらに意図が丸見えのすごい内容のようです。
「公民」というのはあくまでも「公」に奉仕する「民」と言う捉え方のようです。公と言うものの見方が間違っているとしか思えませんが、これを作った人々は無条件に自分達が「公」の立場と同一と見なしているのでしょうか。おめでたい話です。
歴史教科書の方もこれまでの教科書では触れていなかったような、そして戦前の教科書には満載されていたような記事が取り入れられています。どうやら事実以外のものもかなりありそうですが、そんなことはお構いなしでしょう。
「こころのノート」というのも教育現場に縁遠いものにはまったく聞いたこともなかったものですが、道徳の副教材として使われるもののようで、これも意図丸出しです。こういった教材で学ぶ道徳では面従腹背と言うことを生徒たちに教えるだけのものでしょう。
この本の出版から10年近くが経過していますが、その後どうなったのでしょう。まあたぶん状況はさらに悪化でしょう。