爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

NATROMのブログより、「エナジードリンクの過量摂取で脳が溶けるか」

NATROMさんのブログの最新記事です。

エナジードリンクの過量摂取で脳が溶ける」という話(都市伝説?)があるそうですが、それがどのような経緯で語られているか、またそこに何らかの真実があるかということを調べていったということです。

natrom.hatenablog.com

なお、今回はその疑問の答えを示すだけではなく、こういった医療関係の情報をNATROMさんがどのようにして調べていくか、その方法も詳しく示されています。

 

エナジードリンクというのは、カフェインやビタミンなどを加えた清涼飲料水で、何となく体に良さそうというので多量に飲む人もいるようです。

 

まず「脳が溶ける」というのは医学的にはまったくそぐわない表現なのでこれがどういった状態を表わしているかというところから調べていきます。

 

最初は普通にネット検索。「エナジードリンクで脳が溶ける」で調べました。

するとアメリカでそういった男性が脳出血で倒れたという事例でその表現が使われていたそうです。

脳出血と「脳が溶ける」という表現には少し距離がありそうですが、治療の過程で頭蓋骨を外す手術があるので使われたのでしょうか。

 

そこで一応この表現は「脳出血」を示していると考えて医学的な情報の検索に進みます。

医学論文を検索する「PubMed」というサイトがあるのですが、そこで「energy drink cerebral hemorrhage(脳出血、エネルギードリンク)」と入力して検索すると2件の論文が該当しました。

そのうち1件の論文は無料で全文を読めるということで読んでみたそうですが、中年女性でエナジードリンクを常用していた人が脳出血を起こしたという事例報告であり、その因果関係などは全く触れていません。

カフェインなどのエナジードリンクの成分は血圧上昇を起こすことはあるので関係はあるかもしれないという程度のものです。

 

どうやらまだ医学論文レベルではまとまった報告はないようです。

 

公的な情報でどう扱われているかも調べる価値がありそうです。

日本であれば厚労省消費者庁のサイトで見るのが有効です。

海外であればCDC(アメリカ疾病予防管理センター)、NIH(アメリ国立衛生研究所)のサイトも参考になりそうです。

 

結局、今のところ「脳が溶ける」という表現にあたるものは見られないものの、エナジードリンクの過剰摂取で脳出血くも膜下出血の発生のリスクを増やす恐れはあるということのようです。

 

私ももう30年以上も前になりますが、分野は違うものの英語論文を検索し読むということが必要になったことがあります。

当時はネットなどというものは無く、論文誌で関連論文を探しそこから検索して送ってもらうという面倒で高価な手続きが必要でした。

今は便利になったものです。