最新の遺伝子編集技術とも言うべきゲノム編集について、環境省主催で検討が始まるという記事が、FOOCOM.NETで白石洋一さんにより書かれています。
「ゲノム編集」に関しては、これまでにもFOOCOM.NETで紹介されたり、書籍を読んだりしていますので、その紹介もしてきました。
sohujojo.hatenablog.comしかし、いよいよ法的規制に関わる論議が必要となるほど技術が浸透し広がってきたということでしょうか。
従来の「遺伝子組み換え」技術は、カルタヘナ議定書による協定にも明記されていたために、法的に規制されていますが、新しい「ゲノム編集技術」は異種の遺伝子を導入するということはなく、対象の遺伝子の数箇所を変更するという技術のために、これまでの規制基準のままでは取り締まることができないということになります。
すでに、家畜や栽培植物の改良だけにとどまらず、医療技術としてもその適用範囲が広がりそうな勢いです。
白石さんの記事の中にもあるように、市民団体や社会科学系の学者などからは「何が起こるかわからない」から反対という意見が出てきており、議論が噛み合わないままに進んでしまいかねないという、これまでも見てきたような状態が再現しそうです。
「ゲノム編集はカルタヘナ法の規制対象か否か」だけが注目されがちだが、実際はゲノム編集の一部の「正確な小規模変異誘導技術」の扱いをどうするかだ。
カルタヘナ法との関連ばかりが注目されがちですが、見落としのないように議論を進めるべきでしょう。
急がなければ、動き出してしまう研究者も多いようです。