書名からはどのような内容なのか分かりにくいのですが、副題の「ホームステイ外国人のニッポンびっくり体験」を見ればすぐに分かります。
著者の吉野さんは、豊富な英語体験を活かし、日本語教師としての資格も持ちながら、家庭でホームステイの外国人を受け入れ、さらにその人達に日本語を教えるということもされているということです。
そのような生徒さん(ほとんどは若者のようです)の日本生活でのエピソードをあれこれと書き連ねています。
日本語を覚えたいと少し長めのホームステイ(だいたい2-3週間というのが多いそうです)をしに来るという人たちは、日本のアニメやマンガに興味を覚えてということが多いようです。
まあきっかけはともあれ、日本の生活や社会に触れてもらえるのは有益なことでしょう。
吉野さんもホームステイではできるだけ普通の日本の生活というものを経験させようとしているようです。
そのため、食事もあまり構えたものではなく現代の普通の食生活を体験させようとしていますが、やはりヨーロッパの人たちには魚中心の食事や馴染みのないもののようで、手を付けない料理というものも結構ありそうで、中には出された食事ではあまり満足できずに近くの店でパンを買ってきてジャムを付けて食べていた跡が残っていた人もいたとか。
ほとんどが初めての訪日という若者たちで、日本社会というものも初めてのことばかりですが、書名にもなっている「おにぎりはどこの角から食べるのか」というのも彼らの発した質問です。
他にも「ポッキーはどうやって食べるのがマナーか」とか、「自転車に乗っている人が多いのに驚き、止める時に簡単なロックしかしないのにも驚く」といったところに発見をしているようです。
外国人が日本語を覚えようとする時に難しいのは「カタカナ語」のようです。
外来語を表すのにカタカナ表記ということが多いのですが、その発音が原語とははるかに離れているために、上級者でも難しいとか。
外国人が??と思うベスト4は、1.ガール、2.ユーモア、3.チーム、4.プリンだそうです。
数多くの若者たちを見てきた著者が、日本語上達の進度が速い人に共通の性格として、「日本食を食べようと努力する人は日本語上達も速い」と言えるそうです。
やはりなんでもチャレンジしてみようとする人はその能力も高いようです。
なお、ちょっと笑えないエピソードとしては、フランス人の若者が家の中で話をしていた時に、隣の家で「布団たたき」を始めたのですが、急に顔色を変えて逃げ出そうとしたそうです。
実は「テロかと思った」のだそうです。そこまで状況が悪化しているのかと感じました。
こういった交流が深まるほど良いのでしょう。
おにぎりはどの角から食べるのがマナーですか?―ホームステイ外国人のニッポンびっくり体験
- 作者: 吉野椰枝子
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2011/03/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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