塩野さんの「ローマ人の物語」は3年ほど前の会社を辞めて暇になり図書館に通い始めた最初の頃に全巻を読みましたが、このブログを立ち上げる寸前だったために細かい読書記録はまだ書いていませんでした。
この本は「ローマ人の物語」執筆中にその販促のために(?)書かれた本で、日本人が古代ローマの物語と聞いて考えそうな質問内容に答えるという形で解説をしたものです。
なにしろ、ローマの建国から滅亡までを15巻に書いたという長大な書物ですので、読む方も簡単な気持ちではできません。買った人はどれ位居るのでしょうか。
特に興味深いところだけの紹介を
質問6 古代ローマ人と日本人の類似点について、非常に入浴好きであること。しかも他人と裸体で交わることを全く気にしなかったこと。また、温泉好きであるのは火山国であるという理由もあったのでしょうが、湧き出ているところにはすぐに温泉入浴施設を作ったそうです。
また、部屋の中にはほとんど家具というものを置く習慣が無かったというのも昔の日本人と共通します。
肉食より魚を好んだというのもその一つで、生簀を作って新鮮な魚を食べていたそうです。
質問17 歴史の「イフ」について、歴史学者が歴史には「イフ」は禁物と言ったことで、一般の読者までがそれを避けるようになったのは非常にもったいない話だとしています。歴史愛好家は「イフ」を連発して楽しめばよいのではということで、納得です。
質問20 ローマはなぜ滅亡したか。これを取り上げる人は数知れず。しかし著者によれば最後はローマ人のバイタリティがなくなったためではないかとのこと。
まあ、普通には「ローマ人の物語」を読まなくてもこの本だけでも十分でしょうか。