爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「常識の世界地図」21世紀研究会編

21世紀研究会とは歴史学文化人類学の研究者が集まった研究会とのことです。
常識というのは普遍的なもののように思いがちですが、他の国に行ってみると全く違うということは良くあることのようです。それを知らずに海外に出かけて恥をかくということはありそうです。

挨拶や身振りといったところは相当常識が異なるということは他の本などでも頻繁に出てくるところで、欧米では握手といわれていますが、その手の握り方にも各国で差があるようで、アメリカでは強く握る方が好まれるが、イギリス人は強くは握らないとか。
また日本人がお辞儀をするというのは良く知られているようで、えひめ丸の事故の後謝罪に来たアメリカの当局者はお辞儀の角度まで練習して来たようです。
親指を立てたり、人差し指で指したり、Vサインをしたりというところでも国によっては全く意味が異なる場合もあるようです。

食をめぐる常識も国によって大きく異なり、豚を食べない、牛を食べない、クジラを食べない、馬や犬を食べないといった事例は様々です。日本や中国などはその規制がほとんど無いために非難を浴びることもしばしばですが、一概に悪いというわけではないようです。
食事を一緒にするというのも世界中で親密さを増すためには有用という意味では共通するところが多いようですが、仕事の話をするかどうかという点ではヨーロッパの中でも大差があり、食事中は絶対に仕事の話をしないというフランスなどと、仕事の話は全部食事中に決まるというイタリアでは正反対のようです。

最近は大リーグに進出する野球選手も多くなってきましたが、その初期の頃は”常に全力プレー”という日本野球界(ひいては日本全体)の常識をそのまま向こうでもやってしまって、大非難を浴びたということも話題になりました。
大リーグの野球では大差がついたら後は力を抜くという方が常識という場合もあるようですが、これは日本人には理解しがたいところかも知れません。

このような常識の違いというのは知らずに居るととんでもないことになることもありそうです。この前、テレビ番組を見ていたらお笑いの女性芸人が海外の野外で裸になって風呂に入るなどという場面もありました。これなど本当に大丈夫なのと思ってしまいます。裸になるので有名な芸人が海外で逮捕されたという事例もあったようです。日本でしか放送しない番組といっても理解はされないでしょう。このあたりも十分に注意して欲しいものです。