爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「迷宮レストラン」河合真理著

理研究家の河合さんが、歴史上の人物にちなむ料理を実際に作ってみたというシリーズを単行本化したものです。

歴史上といってもかなり広い時代範囲ですので、古代の人の場合はとくに正確に再現するのは難しいのでしょうが、そこまでこだわるわけではなくかなり自由な解釈で作成されたものでした。

クレオパトラに対しては「灰ゆで卵」「穴子のグリル」といったもので、どちらも古代ローマ時代の地中海地方で食べられていただろうというものです。
サンタクロースあての料理というのは、実はそのモデルの聖ニコラスという人は3世紀のギリシャの人で、現在のトルコで生きた人ですが、トルコ周辺の料理と共に現在のアメリカにサンタクロースの伝説を伝えたオランダの料理、そして今ではサンタクロースの本場になってしまったフィンランドの料理も合わせて一つのコースにしてしまうという離れ業もしています。

古代から現代まで、そして世界各国の料理を正確に再現することはできないでしょうが、その香りだけでも伝えてみるということは相応の価値のあることなのかもしれません。