爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「クロノスの少女たち」梶尾真治著

今回の梶尾作品は時間関係を扱い、さらに主人公が女子中学生というものです。ジュブナイルSFという分野でしょうか。
そのためか、SF的な描写の部分はともかく、人間関係や登場人物の心理描写と言う点で他の作品ほどキレが良くないように感じます。さすがに少女の世界は描きにくいのかも知れません。
人間自体が完全に違う時間の世界に移動すると言うのは不可能と言うことは間違いないのでしょうが、意識だけは移動できないかとか、覗くことだけはできないかとか、未練一杯で考えることはあります。
違う時間の世界に介入することはできなくても、見るだけはできないか。まあできたらいいなと言う話なんですが。