爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「この胸いっぱいの愛を」梶尾真治著

羽田発北九州行きの飛行機に乗り合わせた人の何人かが途中の記憶もないまま、ちょうど20年前の北九州に着きます。それぞれが心に何らかの後悔を抱えており、それがちょうどその時の門司にかかわりがあったという共通点がありました。
そういった人達がその後悔の基になったことを探して行きますが、それを果たすと元の時間に戻ってしまうようです。
5組(1組は複数)それぞれの物語が並行して進んで行きますが、著者の人生の生き方に対する姿勢が出てくるようなものでした。

タイムパラドックスをものともせずに、改変された歴史のまま、20年が経って最初の事件とは違う人生を歩んだ人がまた迎える時間というのは、よく考えると有り得ない話なんですが、まあいいでしょう。