爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

まったく往生際の悪い連中 日大も首相官邸も

日大アメフト部の悪質反則事件で、当事者の宮川君が記者会見で詳細に経緯を語りました。

thepage.jp刑事告発も考えられる中、その勇気には感心しますが、それ以上に彼にこのような事態をもたらした指導者たちの罪の重さを感じます。

 

それでも、日大側は暴力行為を指示したわけではないなどと言い逃れを続けているようです。

その往生際の悪さにも恐れ入りますが、あまりジタバタしていると本来なら指導者陣の総退陣で収められたものが、下手をすると部の存続にも悪影響を及ぼすのではないかと、傍目ながら心配します。

 

もう一方の首相官邸の方もまったく往生際の悪いことには驚くほどです。

 

ほとんど第三者的な愛媛県の関係者が、しかもリアルタイムの記録をその当時に残していたという、証拠能力としては最上のものが出てきたというのに、「その日に会った事実はない」だの、「話は聞いていない」などと言い逃れを続けています。

 

そろそろ、「友達の加計に便宜を図ってやった。それに文句があるなら衆院解散で信を問う」位のことを言って解散総選挙を行い、史上最低最悪の総理大臣として開き直ったらどうでしょう。

それでも安倍に投票したい連中も居るでしょう。

道徳壊滅社会として、日本を再出発させてはいかがでしょうか。

 

茅ヶ崎の話

古墳探訪や東京の坂道など美しい写真が満載でいつも楽しく拝見させていただいている「オヤコフン」さんのブログですが、5月22日は神奈川県茅ヶ崎を訪問されたという記事でした。

massneko.hatenablog.com茅ヶ崎は私も小学6年から大学卒業まで過ごした町ですので、懐かしく感じました。

とはいえ、今回オヤコフンさんが訪れた高砂緑地、松籟庵、茅ヶ崎市美術館にはどれも一度も訪れたことはありませんが。

 

茅ヶ崎に移り住んだのは、父が定年間近になりようやく転勤生活も終了ということで、家を建てた時で、私は小学6年の夏休み、もう50年ちょっと前のことになります。

 

今では湘南地方の高級住宅街と言うイメージが強いのでしょうが、当時は東京駅から湘南電車に揺られて延々と1時間、もう地方都市という感覚でした。

 

茅ヶ崎駅も今では橋上駅に駅ビルまで付いていますが、当時は跨線橋こそあるものの、南北両方に小ぢんまりした事務所があるだけの小さな駅、駅前もほとんど広場もなく田舎町と言う印象が強いところでした。

 

家があったのは、駅から海岸方面に10分ほど行った東海岸というところでした。

 

買ってもらった自転車に乗って、すぐにできた友達とあちこちに遊び回ったのですが、今回のブログでご紹介のところなどは子供向きでは無かったのでまったく足が向きませんでした。

 

その後、大学卒業と共に就職した会社の赴任先が熊本ということで、茅ヶ崎を離れ、結局は熊本に永住することとなってしまいましたが、中高生の頃のの友人たちは居心地が良いのかほとんど湘南地方に残っています。

 

親が存命中は時々は顔を見に訪れていたのですが、母も亡くなってしまってからは出かける口実も無くなってしまいました。

 

海岸の夏場の喧騒はすごいものですが、それよりも冬の晴れた日(まあほとんど晴れていますが)の富士山の見事さは忘れられません。

写真でもあれば載せたいところですが、良いのがないのでGoogle Earthから加工して。

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真ん中の道は国道134号線、右下の学校が私の通った中学校のあったところです。

 

こりゃもうダメだ 日大アメフト前監督も、首相も

日大アメフトの悪質反則行為の問題で、内田監督は辞任を表明したものの反則行為の指示については否定しています。

しかし、今日にも反則行為の選手本人が会見を開き、監督やコーチからの指示があったことを明かすということです。

 

内田前監督は、直接指示はしていないということで、なんとか監督辞任だけで事を収めようとしているのでしょうが、もうダメでしょう。

 

そもそも、選手はもはやアメフト界でも日大学生としても居残る希望も無くなってしまっていますので、嘘をついてまで監督やコーチ陣を擁護する必要も何もなくなっているでしょう。

他にもいろいろの噂を耳にするということは、既に日大アメフト部からの利益も何も受けることを期待できない証言者が続出ということです。

そんな状態で、なぜ誤魔化せると思うのか、その神経が不思議なほどです。

 

 

さて、もう一点の「首相案件」の方ですが、愛媛県の提出した記録文書には、加計学園理事長が首相と面会して獣医学部開設について話をしたのが、首相の説明よりはるかに前の計画段階であるということが明記してあったそうです。

 

もとより、学生時代からの親交のある加計理事長が、安倍首相に何も話していないということ自体、信じられる話であるはずもなく、始めから「加計ありき」であることは明白と感じられるものだったのですが、物証が揃って改めて首相が嘘で固めているということが証明されました。

 

親友の金儲けのため、獣医過剰を恐れて獣医学部新設に反対する獣医師会や文科省の反対勢力に対して、特区制のゴリ押しで加計学園獣医学部設立を推し進めたと言う構図がまさに真実であったということです。

 

親友のために便宜を図った韓国の前大統領がどのような道をたどったのか思い出してみましょう。

日本の政界は韓国よりはるかに劣り、不潔で、自浄能力も何もないものなのでしょうか。

安倍の前にひれ伏したがごとき、自民党議員の連中に一番考えてもらいたいものです。

 

「医者に上手にかかる法」高柳和江著

時々、昔買った本を再読してみるのですが、この本も1995年に第1刷発行と言うことですので、20年以上前の本です。

医者に上手にかかるにはというテーマで、海外での医療にも携わって帰国した高柳さんが日本の医療状況を書いていました。

 

20年前というと医療事情もかなり今とは違うようで、「インフォームドコンセント」がまだ新しい概念で馴染みがないので紹介しようというものです。

 

医療費もGDP比率6.8%ということで、アメリカの12%などと比べてもかなり低いという時期でした。

ちなみに、現在はGDP比11%、その後順調に?高騰してきたということが分かります。

 

当時は、私は今のことのように覚えていますが、医師の地位が非常に高く、医者の言うことには文句を言わずに従うというのが普通だったような時代です。

ガンの本人への告知も20%程度とか。

これはその後劇的に上昇し、2010年頃には90%以上に上がっているはずです。

そういえば、あの「本人には言えませんがご家族に」というのが普通だった時代というのが、ちょっと前だったんだというのが驚くほどです。

 

もちろん、セカンドオピニオンなどという言葉も使われていません。

 

著者の高柳さんは、医師就任後少し経った後にクウェートに渡りそこで医師として働いたそうです。

当時のクウェートはイギリス流の医療事情であり、医師と患者の関係も対等に近いというものでした。

それから帰国して日本の病院に入ったら、以前と同じ、医者は肘掛け椅子に座ってふんぞり返り、患者は丸椅子に縮こまって座る状況でした。

 

それじゃいけないだろうということで、せめて少しは患者側が上手に医者に物を言う言い方を教えましょうというのが本書です。

 

当時と現在では変わったところもあるかもしれませんが、基本的には変わっていないとも言えます。

その意味では読み返す意味はあったかもしれません。

 

なお、「痛みの医者への伝え方」は十分に参考になります。

ただ、「痛い痛い」では医者も分かりません。それがどのような部分でどのように痛むかをできるだけ正確に伝えることで、病気の正体がわかるということもあり得るようです。ここは覚えておいた方が良いようです。

 

医者に上手にかかる法―患者のための患者学 (ブルーバックス)

医者に上手にかかる法―患者のための患者学 (ブルーバックス)

 

 

「生命の数理」巌佐庸著

生物学や生命現象の中には、数理学的検討を加えるべき分野があるようです。

この本はそういった生命に関しての数理学(数式などでの解析)について、簡単に?説明しているものであり、生物学や生命科学の大学生、大学院生が学ぶ際の教科書として使えるように書かれています。

 

このような分野では最近はコンピューターシミュレーションの利用が進んでいますが、意外にその基礎となるべき数理学的教育が為されていないということでその用に充てられるようにといことです。

 

というわけで、かなり高度な内容となっています。

これが、田舎の市立図書館に置かれていたのはかなり場違いな印象を受けます。

 

このような数理学的解析の対象となる生命現象といってもかなり広い範囲にわたります。

細胞の増殖現象、周期的概日リズム、熱帯魚の縞の形成、樹木の一斉開花、結実現象、性の進化、発癌プロセス等々です。

 

内容を簡単にまとめるということはとてもできませんので、そちらには触れません。

ただ、このような生命現象に数理解析を施すということは、内容の厳密な評価のためには必要なことなのかもしれませんが、まあ知らなくても大体の理解はできるように思います。

 

一つだけ、普通の生物学ではあまり触れられないことが、性比の問題でした。

多くの生物では雌雄の比率が1:1であることが多いのですが、実はこれにはあまりはっきりとした理由がないそうです。

交配のためには雄はこれほど必要ではなく、ほんの少し居ればよいのだとか。

それ以外の雄は種としてはムダな資源を使ったことになるはずですが、それにも関わらず多数の雄が存在するのは別の意味がありそうです。

つまり、種の存続のために最適解を取ったわけでは無いということです。

雄はせいぜい1%居ればよいのだとか。それはそれでまた想像力を刺激する世界です。

 

生命の数理

生命の数理

 

 

「安心?!食べ物情報」でまた鳥の生食で中毒事故の紹介、報道の問題点も指摘

渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」で、今週も鶏肉を生食し食中毒と言う事故の紹介がされていました。

http://food.kenji.ne.jp/review/review965.html

渡辺さんはガン治療闘病中ですが、毎週1回はこのHPを更新、全国の食品関係の事件事故を紹介されています。

 

今回の事件も毎週のごとくに起きている、飲食店で鶏肉を生食させて食中毒と言うことですが、その報道をした新聞の書き方にも問題点を発見しています。


 高知市は15日、市内の居酒屋「飲み食い処 せい和」で食事を
した20~40代の男性4人が下痢や発熱などの症状を訴え、全員
から食中毒菌のカンピロバクターを検出したと発表した。うち1人
が入院したが、4人とも快方に向かっている。

 市によると、加熱用の鶏肉を生食用に提供したことが原因とみら
れる。4人は同じグループで、4月28日に鳥の刺し身などを食べ
た後、4月30日~5月1日に発症した。市は15日から4日間、
営業停止処分とした。

 これは産経新聞の記事からの引用のようですが、この中で

「加熱用の鶏肉を生食用に提供した。」と書かれている部分に、渡辺さんはこのように批判を加えています。

 「加熱用の鶏肉を生食用に提供した」という記事を読めば、普通
の人は鶏肉には「加熱用」と「生食用」の二種類があると思います。

 というより、この記事からはそうとしか読めません。

 

当たり前の話ですが、鶏肉はすべて加熱が前提で、生食用鶏肉と
いうものは存在しません。

 したがって、上記記事の

「加熱用の鶏肉を生食用に提供した」

「一般に加熱が必要な鶏肉を生で提供した」

と訂正すべきだ、という話です。

 渡辺さんのおっしゃる通り、鶏肉にはそもそも「生食用」などというものはありませんので、わざわざ「加熱用鶏肉」などと記す必要もないわけです。

 

記事中にも取り上げられているように、現在日本国内で生食用の肉が流通している(ということは生食用肉の品質基準が存在する)のは馬肉のみです。

他の肉類は加熱用しか流通しておらず、特に鶏肉は非常に高い割合でカンピロバクターなどの食中毒菌が含まれているのは様々な調査研究で証明されています。

 

おそらく、報道する新聞記者もその実態についての認識が甘いのでしょう。

 

我が家の近くの居酒屋などでも鳥刺しなどを堂々と出している店もあるようです。

これが危険という認識はいつになったら行き渡るのでしょうか。

 

 

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1219 米国主導から多極世界へ

注目されている米朝首脳会談ですが、なにやらゴタゴタしており無事に開催されるかどうかも分かりません。

しかし、「賀茂川耕助のブログ」では無事開催に向かい、その意味はアメリカの一極主導からの転換であろうと論じています。

kamogawakosuke.info

直前に金正恩は中国の習近平と会っており、その影響を重視する議論もありますが、中国が米朝会談を妨害するような利点があるかどうか疑問ですので、やはり交渉条件を有利にしようとする北朝鮮のやり口でしょう。

 

それとともに、無事に会談が進み北朝鮮とアメリカの緊張が弱まれば中国の影響力も強まり、賀茂川さんが主張するように、世界の多極化がより進む可能性もあります。

 

これについては、国際政治評論家の田中宇さんはより過激な予測を書いています。

tanakanews.com

習近平米朝会談直後にトランプとも会い、一気に朝鮮戦争終戦協定も結んでしまうかもということです。

 

これはアメリカの軍需産業と軍部の軍産複合体にとっては非常にまずい事態であるはずで、ケネディ兄弟暗殺時の状況とも重なってきます。

トランプが本当にそこまで進むとも思えないのですが、どうでしょうか。

 

世界情勢の大きな転機となるかもしれない状況です。

アメフトの反則行為ばかり報道していては困ります。