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爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「なぜか「安心して話せる人」の共通点」和田秀樹著

著者は数多くの本を書いていらっしゃいますが、本業は精神科医です。

精神科医というのは患者に話をさせてその病状を判断するというのが重要な診断法ですので、患者が「安心して話す」ことができなければ、診察にもならないのですが、やはり色々と注意点はあるようです。

 

それを参考にすれば医者以外でも「話しやすい人」と見られることは大いに役立つはずです。

そのために書かれたこの本は非常に易しい語り口です。

 

 

まず、「上手に話す」ことは必要ないということです。上手に話すことよりは、相手が触れられたくない話題に触れないということの方が重要です。

その話題を出すことで「相手が傷ついている」ということにも、気づかない人は困ったものです。

 

その話題を出すことでついつい相手を傷つけてしまうということがあります。

著者は東大理三に現役合格したという秀才ですが、このことを持ち出せば大抵の人は感心してくれることはなく、反発することが多いようです。

もしも、著者が「サッカーの代表選手に選ばれた」(嘘ですが)と話せば多くの人が「すごい」と思うでしょう。

他にもいろいろな才能で話をすれば素直に尊敬されるものもあるのですが、学歴だけはダメです。

 

また、金儲けの成功体験というのもタブーです。誰もがやってみて失敗している話題はどうもいけないようです。

 

 

人の気持ちに関係なく、自分の話ばかりする人がいます。

そうなると、相談したいことがあっても「この人はダメだ」とあきらめてしまいます。

私達が安心して話をできる人というのは、自分が話すことよりまず相手の表情や気持ちに関心を持ってくれる人だということです。

 

 

著者のような対話の達人という人でも、時には相手を傷つける失言をしてしまうこともあります。

話した瞬間、相手の顔色がはっきりと変わったことに気づいてしまうことがあります。

そういう時は、やはりなんとかフォローします。

こうすれば、たとえその失言が本音だとしても、相手との関係をこれからも大切にしたいという気持ちがあるということを相手に伝えることになるからです。

 

しかし、本当は失言をできるだけ避けた方が良いのは当然です。

それには、対話をする時にはできるだけ低姿勢になること。それで失言は減ります。

失言をするというのは、ほとんどの場合「相手を見下す気持ち」から生まれてきます。

どういう場所、どういう相手に対しても丁寧に接する人は失言をすることも少ないでしょう。

少しぐらいなめられてもその方が楽に生きられます。

 

 

とは言ってもいつも相手を安心させる話し方ができる人なんてほとんど居ません。

たいていの人は「なぜこの人はこんなにひどい話し方をするんだろう」と思うくらいの話をします。

そんな時は気を取り直し「今日はついていない」と思い、気楽にかまえるのが一番だということです。

 

なぜか「安心して話せる人」の共通点

なぜか「安心して話せる人」の共通点

 

 

やれやれ、非常に分かりやすく書かれた本ですが、読んでいると反省ばかり強いられるものです。

 

九州国際スリーデーマーチ開催

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ただ歩くだけのスリーデーマーチが、12日より3日間八代市球磨川河川敷公園をメイン会場に開催されます。

12日の1日目に参加しました。

今日は10kmコース。10時出発の会場風景です。

この時はまだ曇りの天気だったのですが、この直後に雨が降り始めどんどん激しさを増し、雷も鳴るという状況で、ゴール時の12時には大粒の雨が土砂降り状態。

一応傘は持っていったのですが、そんなものでは止めきれずズボンや背中もびしょ濡れ。

 

しかも、自転車で行ったので帰りもさらにびしょ濡れ。非常に疲れました。

 

明日もあるけど、どうしようかな。

なお、コース途中で開かれていた絵画展会場の八代亜紀さんです。

この後、スリーデーマーチ会場でもトークショー開催とか。

明日は陣内貴美子さん、松中選手も来るそうです。八代出身有名人総出。

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「ご先祖様はどちら様」高橋秀実著

ノンフィクション作家の高橋さんが、自分の先祖を知りたくて各地を廻っていろいろな人たちの話を聞き、発見をしたり迷路に入ったりということを書いていくというものです。

 

よほどの名家でない限り先祖代々が分かっているという人は居ないでしょう。

我が家も父が生きているうちに頼んで分かっていることを書き残してもらったために、ようやく父の祖父までは分かりますが、それ以上は検討もつきません。

 

しかし、現在NHKで放映されている「ファミリーヒストリー」という番組で結構昔のことまで調べていますので、調査法によっては分かるものなのかもしれません。

 

本書でもNHKほどの調査力は無いにしても、さすがに作家の根性というべきか、高橋さんもあちこちに入り込んで話を聞き出しています。

 

手始めはやはり、親の出身の市町村の役場に行って戸籍が残っているかどうかを調べることのようです。

著者も最初に父親の本籍があった横浜に赴き、区役所の戸籍係に尋ねますが、係員も結構そういった依頼者が多いようで慣れていらっしゃるようです。

時間もさほど立たないうちに父親が母親と結婚してから作った戸籍はわかりましたた、その前は宮城県にあったとか。そちらはその町の役場に問い合わせてみなければ分からず、それは自分で出かけるなり、郵送で依頼するといったことが必要になります。

 

なお、戸籍は記載者全員が除籍になって80年を経過すると廃棄されるということで、著者もあわてて母親の本籍地に急ぎます。

 

父親の出身地の戸籍も無事届き、双方4代前までの先祖の名は明らかになります。

 

そして、その記述をたどって宮城、静岡、山梨等々を調査して廻るわけですが、結局はよくわからないということになります。

最後に、清和源氏であろうということから京都の清和天皇陵をお参りして終わります。

 

 

家系図が残っている名家もありますが、それらの家系図なるものも大抵は江戸時代に捏造したものが多いようです。

そしてそこには有名な人から発したように書かれているのですが、家系研究者によると実際にほとんどの家はそういった有名で立派な人物の子孫に関係があることが多いようです。

これは、考えてみれば当然であり、先祖は代を遡ると大変な人数でありその中には著名な人物がどこかに入っている方が普通ということです。

 

この点については、思い当たりますね。

そもそも、子孫繁栄ができるのも金持ちや貴族など偉い人が多く、貧乏人は子供も持てないことが多いのですから、現在の人間のほとんどはそういった連中の血は引いているんでしょう。

 

 

清和天皇陵探索の際に、いろいろと著者も調べたようですが、天皇陵と称される古墳には相当怪しいものも含まれているようです。

研究者がそういった疑問点を指摘することもあるのですが、宮内庁はそれを一切変更するつもりはないとか。

担当者は「もし間違っていたとしてもすでに100年以上天皇陵としてお参りしてますので、魂はこちらに来ています」と語っていたそうです。

そこまで、開き直られたらもう何も言えないでしょう。

 

ご先祖様はどちら様

ご先祖様はどちら様

 

 

我が家も大した身分の先祖はいないでしょうが、調べてみようかと思わせるものでした。

 

土壌学者の西尾道徳さんが、モンゴメリー「土の文明史」でのキューバの有機農業について誤りを指摘

土壌学者で環境保全型農業ということを説いていらっしゃる西尾道徳さんが、そのサイトの中でワシントン大学教授で地質学が専門のデイヴィッド・モンゴメリーが書いた「土の文明史」という本の中でのキューバの有機農業について触れた部分の誤りを指摘しています。

 

No.321 キューバの「有機農業」がまた誤って宣伝される危険 | 西尾道徳の環境保全型農業レポート

 

ソ連崩壊にともない、キューバへのソ連からの大量の食料補給というものが途絶えてしまい、キューバは食糧危機に直面してしまいました。

また、同時にソ連からの化学肥料輸入も困難になりました。

 

そこで、キューバ政府は「有機農業推進」を強力に推し進め、その結果農業生産性は以前より向上し食料自給が可能となったということになっています。

モンゴメリーの著書でもそういった観点での主張が為されているということです。

 この「土の文明史」という本はかなりの話題を呼んでおり、この記述に影響されている人も出ているようです。

 

 

しかし、西尾さんがデータを挙げて強調しているのは、キューバはその時期に食料輸入が途絶えておらず、また化学肥料輸入も続けられていたということです。

 

ただし、その輸入量はかなり減少したのは間違いなく、その対策として都市での空地の補完的農業が推奨されており、その場では堆肥を使った農業が為されていました。

しかし、その実施面積も少ないものであり、取り立てて話題にすべき規模でもないようです。

 

西尾さんの立場は、「おわりに」の項にも書かれているように、

 

『土の文明史』を著したモントゴメリー教授は地質学の専門家だが,キューバの有機農業についてはあまり情報を収集しておらず,誤った情報に基づいて記述したようである。名著ではあるが,冒頭に紹介したキューバについての記述は誤った情報に基づいて書かれており,これを読んだ読者の間に,再び日本で有機農業だけで世界の食料不足が解決できるといった誤解が復活しないことを望む。

 

「有機農業にすれば食糧不足が解決できる」というのは誤解であるということです。

 

有機農業では生産性は低下するというのは間違いないものでしょう。

世界的に見て農業生産量は十分であり、食糧危機はその分配の不備であるというのが現状ですが、そのような前提などちょっとした条件で崩れるかもしれません。

その際には化学肥料と農薬で少しでも生産量を確保することが必要となるのですが、それすら供給できなくなる事態にはなってほしくないものです。

 

「1手詰将棋」高橋道雄著

詰将棋に関するエッセイ」とかいうものではなく、本当に「詰将棋だけ」の本です。

 

詰将棋」とは、将棋の終盤戦の詰むか詰まざるかというところだけを拾い出したようなもので、パズル的な要素が強いものです。

解答者(解く人)が攻め手となり、王手の連続で最短手筋で詰ませるというのがルールですがまあそこは良いでしょう。

 

上級者向けのものですと11手以上のものもありますが、初級者向けはだいたい3手詰、5手詰というところです。

 

そこのところ、本書は「1手詰」ということで、言わば「超初心者向け」というものです。

 

 

著者の高橋道雄さんはプロ棋士で、全盛時にはタイトルを何度か取ったこともある方です。

最近はあまり公式戦での活躍は聞きませんでしたが、本書を見ると初心者の指導にも力を入れておられるのでしょうか。

 

 

私も昔に将棋にはまっていた時期があり、その頃には7手詰、9手詰といったものにも挑戦したこともありましたが、最近ではまったく読みが続かなくなりました。

この本の200題の問題でも、2題を間違えてしまいました。

将棋など、老人のボケ防止にはちょうど良いんですが、やろうという意欲がなかなか湧きません。

 

1手詰将棋 (将棋パワーアップシリーズ)

1手詰将棋 (将棋パワーアップシリーズ)

 

 

もしかして 安倍クンてホントのバカ? 買いかぶっていただけだったのか。

昨日の国会審議での民進党議員の質問に答えたという安倍クン(もはや首相とか宰相とか呼ぶ気もなくなってきた)の答弁を報道で見て、衝撃を受けました。

 

www.nikkansports.com

私はこれまでの安倍クンの政権運営(というか、騙しの手口というか)を見て、これは相当周到に考えられた人心掌握法を駆使した闇の帝王のような人物かと、批判はしながらも一定の敬意をもってそのやり口を見てきたつもりですが、どうやらとんだ勘違いのようです。

 

民進党議員が夫人と籠池側との関係を「ずぶずぶ」と表現したのを捉え、「そんな品の悪い言葉を使うから民進党の支持率が低い」といったことを言っているようです。

 

もしかして、「自分の支持率が高いのは政策が良いからだと勘違いしてる?」

 

何か、唖然とさせられるような言葉でした。

 

アベノミクスという子供だましのごまかしで馬鹿な国民の票を取っていても、いずれは化けの皮が剥げるからそれまでの間に安保関連法案や改憲を終わらせてしまおうという思惑の政権運営で、それが怪しくなってきたらちょうどうまい具合にトランプ政権ができたのでその対外政策に乗っかって朝鮮不安を掻き立てて支持率を上げているだけの張り子政権が、それを自覚していないとは。

 

 

悪党は言え、その悪魔性の深さに感心して、「稀代の名総理として名を残す方法」までご披露したのに。ただのバカだったとは。

sohujojo.hatenablog.com

あまりのも落胆が大きく、しばらくは政治ネタには近寄る気力がなくなりました。

もう、日本がどうなっても知りません。

「嘘ばっかりの”経済常識”」岩田規久男著

経済関係の本は以前はほとんど読まなかったんですが、なぜか一冊だけ買って持っていました。

 

嫌いだったわけは、自分に基礎知識が無かったためもあり、何やら難しそうなことを、しかもどの本も偉そうな雰囲気で押し付けてくるように感じたためだったと思います。

(現在ではこちらも相当理論武装をしましたので、その程度の押しつけは跳ね返して本に書かれている欺瞞性を指摘できるように、なったかな?)

 

しかし、この本は1997年あたりの、ちょうど自分が管理職に上がるかどうかの時期で、経営や経済のことも少しは勉強せねばと思っていた頃に、気の迷いで?買ってしまったようです。

 

しかし、この著者は当時上智大学教授の岩田規久男氏、リフレ派の親玉でその後日銀副総裁としてあの黒田の片腕となり嘘の塊政策を推進した張本人ですから、この本の内容も推して知るべしというものでしょう。

 

 

本の内容は、極めて庶民向けに分かりやすく書かれているというものです。

経済学教授らしい登場人物がいろいろな人々と会話をしながら経済の問題点を解説していくというよくある形式の解説本で、おそらくゴーストライターがかなりの部分を書いているのではないかと思います。

 

文庫版発行は1996年ですが、元本は1991年出版、中のネタはバブル最盛期からバブル崩壊までの時期とあって、書いて有ることも右往左往のようです。

さすがの著者もこの時期には間違いのないことを言うのは厳しかったのでしょう。

 

 

一つ一つを取り上げる勇気もありませんが、最終章の「日本企業の株式配当性向は低すぎるか」についてだけ。

バブル後の株価低迷時に、「日本企業の株式の配当は低すぎるから株価が上がらない」という声が大きく出た時期があったそうです。

配当を高めれば株価も上がると言わんばかりの声も、まったく根拠もない話だったのですが、さすがにこの本でもそれは理屈に合わないと一蹴しています。

株主に対する株の無償交付を求める声もあったとか。

これも無意味だとしていますが、しかしあれもこれも全く自分のためしか考えない連中ばかりが多いことと感嘆させられます。

 

その後の経済の流れを見る時、昔の本をひっくり返すのも一つの思考のリフレッシュになるかもと思わせるものでした。