爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「NATROMのブログ」より、「もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか?」

いつも参考にさせて頂いている、「NATROMのブログ」ですが、経歴は明らかにしていないものの現役の内科医と言うNATROMさんで、福岡在住と言うことですので現在は非常に業務多忙であろうと思っていましたが、22日にブログ投稿されました。

 

しかも話題はタイムリーな「もし家族が肺炎になったら新型コロナの検査を要求するか?」というものです。

natrom.hatenablog.com

現在、外来で受診される患者さんからも新型コロナ検査をお願いされることが増えてきたということですが、肺炎の兆候がなければ受けないように勧めているそうです。

 

さらに一歩進めて「家族が肺炎になった場合新型コロナ検査を要求するかどうか」ということですが、その答えは予想通り「しない」でした。

 

現状では新型コロナウイルス感染であることが判明したとしても何の利益もないようです。

その治療法というものも確立されていませんし、すでに何らかの肺炎である以上その療法は行うわけですから、それで十分ではないかと。

 

さらに、その先は内科医の事情が良く分る話ですが、開業医がその検査を依頼された場合、直接検査会社等に連絡することはできず、保健所に相談してその指示を待たなければならないそうです。

そのためにはいろいろな書類作成も必要となり、さらに保健所から許可が下りてから検体採取を行い送付と、かなりの手間を取られるとか。

それにかかった時間の間は他の患者さんの診察もできず、全体としてその病院の効率を下げることになるようです。

 

これはおそらくNATROMさんも同意されると思いますが、現状でのインフルエンザ検査の充実ぶりが非常に高度に進んでいるために、新型コロナ肺炎でも同様にできるかのような錯覚があるのではないかと思います。

インフルエンザの従来型の場合は、すでに抗原抗体反応を用いる簡易検査のキットが充実しているために、各病院で検体採取から短時間でインフルの型まで確認することができます。

しかし、新型コロナ肺炎の場合はまだPCRでウイルスの遺伝子を増幅し確認するという手間がかかり、専用の試薬や検査装置も必要となり、時間も費用も検査可能サンプル数も制限が多いものです。

まだまだ混乱が続くようですが、そういった事情は考慮しなければならないでしょう。