爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

トランプ大統領就任 さっそく波乱を巻き起こす

トランプ大統領就任、多くの反対デモが暴徒化し大変なことになっているようですが、当人は平気な顔で就任演説を行ったようです。

 

mainichi.jp

断片的にはニュースで見ましたが「アメリカ第一」と言い続けているだけのようで見苦しいものに感じました。

 

さて、すでにその政策方針についても色々と報じられていますが、通商政策ではTPPは即時離脱、NAFTAもカナダメキシコと再交渉で場合によっては破棄という、保護主義丸出しの方針となっています。

これらの自由主義貿易でもっとも利益を受けたのはアメリカを中心としたグローバル企業であることを忘れているのか、知らないのか、どうするつもりでしょう。

おそらくは、グローバル企業の利益も損なわずに諸国に制限を押し付けて自国利益を最大にしようとするのでしょうね。

 

軍事戦略では、ミサイル軍備増強、テロ根絶といった動きを強めるのは、対外的に干渉を弱めるというこれまでの見方とは正反対になっており、政権内に軍人出身者を多く取り入れたためかもしれません。

いずれにせよ、さらに巨額の軍事費が必要となればさらに国家財政の窮乏は激しくなるでしょう。

同盟国に軍事費負担を大きくするというのも当然ながら大きな抵抗を受けるでしょう。

黙って出すのは安倍くらいか。

 

環境エネルギーでは温暖化対策などは完全放棄、石炭の活用とシェールオイルガス開発をさらに進めるということです。

シェール利用のためには原油価格上昇が不可欠ですのでその方向への誘導政策が必要になるでしょう。

そうなれば、ロシアも息を吹き返しますがどうでしょうか。本当に親ロシア政策を取っていくつもりなのでしょうか。

それにしても、シェール幻想に取り憑かれている限りはこの政権も長くないのはもちろんですが、(まあ4年持つかどうかも怪しいですが)アメリカ国内での野心家の多さにも驚きます。

シェールのエネルギー収支から見た将来性欠如はこれまでも何度も書いていますが、長い期間を見据えた展望など誰も考えようともしないのですから、その意味でだけ成り立っているのでしょう。

 

雇用と投資をアメリカ国内だけに取り戻すというのは、そこだけ見ればあのように企業を恫喝していけばできるのでしょうが、経済全体から見れば大きな歪をもたらすだけでしょう。

 

それにしても声を大にして叫んでいた「アメリカ第一、偉大なアメリカ」ですが、アメリカ第一とばかり叫ぶ連中を世界の人々はなんと思うでしょう。

決して「アメリカを尊敬」などするはずもありません。

表立っては言わずとも皆「アメリカを軽蔑」するはずです。

古代中国の戦国時代にも後期には武力だけで他国を従えた秦と楚が有力となり競いました。

しかし、他国はどこもその二国に心から従うことはなく武力を恐れるだけでした。

結局、楚は壊滅し滅亡、秦も一度は全国制覇したもののすぐに反乱を招き滅亡しました。

「アメリカ第一」と言っている限り、各国の尊敬や信頼は得られるはずもなく、軽蔑・侮蔑を向けられるだけでしょう。

テロの芽を世界中に振りまくだけかもしれません。

 

4年の大混乱が始まったということが改めて身にしみた就任演説でした。