これを書いている9月20日7時には台風16号は九州を通り過ぎ四国沖を東へ進んでいるところです。
やや南寄りを通ってくれたので熊本県地方では比較的風雨は強くならずに助かりましたが、数十キロ北にずれていれば相当な暴風雨となったことでしょう。
毎年のように大きな台風が来襲してくる日本ですが、自分自身が遭遇したものというとそれほど多くはないのには意外な思いがします。
これまでの60年余りの経験ですが、幸いにも家屋本体が破壊されたということはなく、(雨漏りはありましたが)浸水もさほどひどいものは経験していません。とはいえ、すぐ近所でそういった被害を受けたのも目の当たりにしています。
まずは、1959年の伊勢湾台風です。
この時は4歳くらいだったのですが、名古屋市千種区に住んでいました。平屋の一軒家でした。
夜になり徐々に風雨が強まっていたのですが、こちらはまだ幼児で気にもせずに弟と二人眠ってしまいました。しかし、その後が大変で風雨共に強まり、両親と当時中学生の兄は一睡もできなかったそうです。
雨漏りもひどく家中でそこかしこにポタポタと水がたれてきたのですが、幸いにも子どもが寝ていた部屋だけは雨漏りがしなかったということでした。
翌朝起きたときにはすでに台風一過で静かになっていたのですが、庭を見回すと昨夜まで立っていた板塀がすべて倒れていたのが印象に残っています。
次は1968年頃でしょうか。
正確には覚えていないのですが、静岡・山梨などに大きな被害を出した台風がありました。
この時は自分も中学生だったので寝ても居られず、窓を押さえていました。雨戸ごと風に押されてくるので家具を動かし止めた覚えがあります。
1999年には熊本県八代市の会社のアパートの4階で台風18号に襲われました。
これは当時の不知火町で高潮が発生し多くの人が亡くなった時です。
台風は強力なまま東シナ海から東に進んで熊本県に近づくという、当地としては最悪のコースでした。
宇土半島より少し北側を通ったために強い南風が吹き、南側に海がある不知火町で高潮発生となったのですが、八代市も海から続く川のすぐ北側に街があるために危機一髪でした。
アパートからは川の様子も見られたのですが、氾濫寸前でした。
強風の被害も大きく、アパートも一応鉄筋コンクリートの4階建てでしたがガラス戸がしなってくるのが怖ろしいほどでした。
実際に、同じアパートの部屋では窓が割れてしまったところも何箇所かあるほどでした。
また広い範囲で電柱が倒れたために、我が家も1日ほど停電。郊外では復旧が遅れて1週間以上停電が続くという大被害を受けました。
聞いた話では瓦が飛んで隣家に突き刺さるという事態も発生。九死に一生を得たという人の経験談も聞きました。
八代市近郊の古い農家などではコンクリート製の作業小屋を持っている家が多くあります。台風の風がひどい時はそこに避難するようです。それを見ると厳しい気象条件に改めて気付かされます。
今朝もまだ強い風が吹いてはいますが、空は明るくなっています。
被害が少なくて済めば良いのですが。