爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「やっぱり変だよ日本の営業」宋文洲著

宋文洲さんは中国から日本へ留学した当時に天安門事件が起こり帰国できなくなり、コンピュータソフトの会社を立ち上げて成功しました。
それはまだ日本の会社のIT化の最初の頃であり、ソフトを売るために顧客の会社を見ているうちに日本の会社の非製造部門、特に営業の前近代的な体質には驚いたようです。

逆に自分の会社にさまざまな会社の営業担当者も訪れるようになりましたが、同じ会社の人間が断っても断っても入れ替わり立ち代わりやってきて、相互の連絡というものが全く取れないままに飛び込み営業をしているといった実態もあり、あまりの不効率さにはあきれるばかりだそうです。

昔の日本の会社の営業というものは、品物が不足している中での売込みだったので頭を使わなくてもできた面があるかもしれないのに、そういった時代の変化を読めずに以前の成功体験を持つ人が経営者や管理職となったまま、それを押し付けているためにほとんど効果のない訪問営業を繰り返しているようです。
物が行き渡り、誰もが欲しがるものと言う物が少なくなった中では、営業が顔を出すだけではどうしようもなく、製品を少しでも差別化しそれを的確に説明できる営業が必要だと言うことです。

営業担当者はたびたび営業会議という顔合わせを行なっていますが、そこで語られるのはほとんど無意味なことばかりで、何の結論も無いまま頑張ろうで終わります。経営者が鳥瞰することが必要なのに、そのための報告を集めることも無く、無意味な「営業日報」というものを書かせていますが、それもほとんど読まれることはありません。
今は誰でもネット直結のスマホを使っているのだから、そこでワンタッチで入力できるようなシステムを使い、適切なデータを集めるべきだと言うことで、それには著者の開発した営業マネージメントシステムが有用ということです。

おっしゃるとおりというところです。いかにも無意味な営業ばかりが横行しています。無駄なエネルギーを使っているものだと思います。