爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

エネルギー文明論「石油の無くなる100年後の世界 (6)対策はあるか」

(6)対策はあるか
このように、あと100年の内に「無尽蔵とも言えるようなエネルギー源」が開発されなければ、石油などの化石燃料が供給困難となり大きな社会不安を抱えることとなりそうです。
もちろん、そのようなエネルギー源が見つかる可能性も0とは言えないでしょうが、それに賭けて何も対策をしないということは無謀でしょう。

一番怖ろしい予測というのは、やはり食糧生産と流通の構造が大きく破壊され、全世界的に食糧危機に陥ると言うことでしょう。その結果としては世界戦争に発展する可能性もあります。軍事用の燃料供給不足という事態も考えられ、「少しでも燃料が残っているうちに」というように追い詰められて爆発する可能性もあります。
局所戦はほぼ確実に頻発するでしょうが、世界大戦に進むかどうかも楽観はできないように思います。
それだけは避けなければ人類の未来は無くなってしまいます。

しかし、石油でも「あと半分は残っている」わけです。ボトルに半分残った酒を見て「もう半分しかない」と嘆くのは悲観主義者で、「まだ半分も残っている」と言うのは楽観主義者だそうです。
先進諸国が石油をジャブジャブと使い出してからはまだ50年程度経っただけで、その短期間でこれだけ使い果たしたと言うのもすごい話ですが、しかしもう無くなったわけではありません。
使うべき対象をはっきりと決め、それ以外の用途にはできるだけ回さずに少しでも使い伸ばして行き、その間に全世界の社会体制を変化させてエネルギーへの依存を減らしていけばまだ相当長い間続けていけるだけの世界にはできると思うのですが。
まあ成功の可能性は極めて低いようですが、それでも0ではないのも確かでしょう。希望の持てる変化を起こせるかどうか、それだけは見てみたいものです。