爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「テロリズム」チャールズ・タウンゼンド著

イギリスのキール大学の歴史学教授で、イギリス史、アイルランド史が専門のタウンゼンド教授が判りやすく?テロリズムについて解説したものです。
昨今は9.11に象徴される宗教テロ?や反体制テロだけを問題視されるような風潮ですが、歴史的には国家テロ、民族テロなど大きなものが昔からはびこっています。しかし、テロリズムと言うものの定義は何かと言うことははっきりとはしていないようです。
著者は、いろいろな暴力行為の中で、戦争・反乱・犯罪とは違い、政治的意味をこめられた暴力としてテロリズムを捉えようとしています。
したがって、その中には反体制テロだけでなく、体制テロも含まれており、パレスチナの対イスラエルも、イスラエルの対パレスチナもテロであることは確かなようです。

テロリズムが曖昧であると同様に、対テロリズムも曖昧であり、特に最近対テロとして取られている政策は簡単に民主主義の枠を越えてしまうこともあるようです。

暗い闇ばかりのようなテロに関わる歴史と現在ですが、できるだけ知識を持つことが必要のようです。