爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

このままの状況が続けば 将来の予測

朝のテレビを見ていたら報道番組で「このままの状況が続けば800以上の市町村が消滅する」というものがありました。
もちろん、そうなっては困るからこれこれの対策が必要ということなのですが、このような「このまま続けば」という安易な将来予測というものが非常に多いようです。

何らかの対策が行われればそのようにはならない、すなわちその予測は外れてめでたしめでたしなのかもしれませんが、そもそもそういった将来予測には別の外的要因で変わってくるという想像は入ってきません。

よく言われているのには「このまま温暖化が進めば今世紀末には云々」というのも横行しています。こういった言い方をするのは温暖化そのものを研究している人々ではなく、その推測だけを借りてその影響を調査する研究者(とも言えるかどうか疑問ですが)が多いようですが、「このまま温暖化が進む」ことも疑問が多いところというのを置いておいても、まず「二酸化炭素がこのまま増え続ける」ということ自体も不確定要素が多いことです。

はじめに取り上げた人口予測では、地方の人口が都会に流出する傾向がこのまま続くという動きが現在までと同様に続くからということで、だから地方の再生をしなければならないとか、地方の経済を復興しなければならないといった具合に続いていくのですが、都会に集中するのが危険なことでありそれを避ける方向に進むという可能性もこれから増大するということも考えに入れる必要があるところです。
これはすぐに考え付くような地震などの災害の危険性ということもありますが、それ以上に輸送経費の増大による食料などの物資集散の困難化の危険性も増大する可能性が大きいと考えられます。
すなわち、「都会が危険になれば地方に分散する」という将来予測も極めて可能性が強いものと言えます。

そうなった場合には、安易な地方の人口流出への対応策だけを考えていた場合とは大きく状況が変わってくるということもあり得るでしょう。現在の過疎対策なるものがまったく方向違い見当はずれになる恐れもあります。

将来の予測というものをしていく場合には、他の研究者のデータを丸呑みしてそれへの対応だけを考えるということはあまりにも安易な方策です。まず本当に何が起こるのかということを考えてほしい。特に行政の担当者などはそれが必要でしょう。その能力が無いのならその職をやるべきではない。