新聞報道によれば、安倍首相は今月の伊勢志摩サミットでG7協調しての財政出動を行なうように同意させ、アベノミクスを再起動させるという思惑で事前協議をしているそうです。
http://mainichi.jp/articles/20160517/ddm/001/010/160000c
このところの経済停滞は、日本経済のファンダメンタルズ好調にも関わらず海外の経済不振のためだからだとか。
日本経済ファンダメンタルズ堅調というのが首相の勘違いも甚だしいところですが、それにも増して、なんで日本の経済政策を再生させるために各国が協調して財政出動をすると思っているんでしょうか。
首相は「世界経済の低迷という外部要因でアベノミクスが阻害されるのは認められない」と思っているそうです。思い上がりも甚だしい。このような態度でG7議長などといっても成功するわけもないでしょう。
アベノミクスの成功部分と言われているところも、結局は口先介入で大幅な円安を招き、海外の投資家のバブル資金を呼び込んで株価上昇、円安で輸出大企業に金を回しただけのものです。その陰で輸入品高騰で苦しんでいるのは一般民衆です。
構造的に投資家、大企業に一般民衆の金を移転させただけの幻影に過ぎないアベノミクスが再生だのなんのと言うだけ無駄な話です。
各国の態度も、一応は議長国に遠慮しているのか、財政出動に「機動的に」対応するということのようですが、実際は機動的といっても英語では「flexible」だそうで、これを「機動的」と訳すのは意図的な誤訳のようです。
結局は、実際のG7会議の場で拒絶されて大恥をかくということになるのでは。
安倍首相の華々しい活躍の場となるはずだったG7議長ですが、もしかしたら最悪の舞台で退場の前奏曲になるかもしれません。