爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

衆議院議員定数10削減って威張って言うほどのことなの

昨日の民主党野田前総理の質問に答え、安倍首相は衆議院議員定数の10削減を直ちに行うと「エラそうに」語ったそうです。

 

議員の数が多すぎて無駄という件は維新の党も前から仰々しく語っていますが、確かに無駄ではあるかもしれませんが、国会議員の選出についての大きな問題点はそこではないでしょう。

 

まず大きな問題点は小選挙区比例代表並立制にあります。小選挙区制のために得票率が半分にも満たない政党(自民党のことです)が大多数の議席を獲得してしまうという不公正な結果になっています。

さらに、比例代表並立制というもののために議員にふさわしくないとして小選挙区で落選させた候補者が復活当選を果たすという、これも不公正としか言いようが無いことになっています。

 

しかもそれらの制度上の難点以上に、元来は人口に比例して議員を選出するという選挙区選挙の建前を大きく逸脱している地域による議員数の不平等の問題もあります。

人口比での議員選出の原則から言えば、人口移動が急激なための調整の遅れが出たとしてもせいぜい1:1.5以下の数字でなければならないと思いますが、1:2以下なら許容するという不公正な基準での調整しかしようとせず、しかもそれすら守られていません。

 

(これは地方を軽視するということではありません。もしも地域ごとの発言権を確保したいのであれば別の基準で議員選出の方策を作れば良いだけのことです。衆議院の場合は人口あたりと定められているからそうすべきだということです)

 

このように、国会議員選出にまつわる問題点は山積しています。とても定数削減をやりました程度のことで達成感など醸し出さないでほしいものです。