爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「誰も教えてくれない地デジTVの裏側」保岡裕之著

フリージャーナリストの保岡さんがテレビの完全地デジ移行の2011年の少し前の2008年に出版した本です。

当時はアナログ放送廃止と地デジ完全移行ということで、かなり危険性が指摘されていた覚えがあります。この本はそういった点を詳しく解説しているかと思ったら、それに留まらず現在のテレビ放送自体の問題点にも筆を進めていました。

アナログ廃止の少し前まではまだ数百万台が残っているとか、見られなくなる家もかなりに上るとかいう危険性も言われており、本書でもそれについての記述もありますが、結局そこまでの混乱はなかったようです。しかし、我が家でもそうですがそのちょっと前に液晶テレビのそれもかなり大画面のものを購入しましたが、その時の値段を考えると現在の価格の暴落振りは唖然とするほどです。やはりしばらくの間はチューナーで我慢してから買うべきでした。

この本は第3章以降は地デジに直接は関係のないことになります。最近の報道番組のバラエティー化とか、エセ科学番組の横行とか、視聴率至上主義とか、まあひどいものです。

あるある大事典」がデータ捏造で問題化したということも触れてありますが、ここで著者は「データを捏造したのが問題ではなく、一見科学的に見えるがまったく科学的には評価できないことが問題」ということを書いてあり、まさにその通りです。

特に最近は権力べったりとなり、権力の意向にそった洗脳放送とも言える状況になっているという指摘です。現政権の暴走振りが明らかになってきている現在、NHKに関する問題もいくつか出てきていますが、著者の指摘がさらに意味を持つようになってきているようです。