爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「日本の”伝統”家族 時代とともに変わる形態」山田昌弘著

ちょっと異例ですが、今朝の新聞に載っていた中央大学の山田教授の記事です。

何が日本の伝統なのか、よく調べてみると一般に考えられているようなものはごく近い過去からのものでしかないことが分かります。

たとえば、一夫一婦制の結婚制度などというものは江戸時代まではまったく無く、一夫多妻が公式に認められていました。一応明治時代には法的には廃止されたわけですが、事実上ほとんど無くなったとみられるのは第二次大戦後になってからということです。
また、夫婦同姓なども法的に定められたのは明治時代になって欧米の法律に合わせるために取り入れられたもので、それ以前は別姓だったようです。
「専業主婦」というものも世界的に見ても発生したのが19世紀のイギリス社会ということで、日本に入ってきたのはさらに遅れたようです。

今現在、一夫一婦制はともかく、夫婦同姓や専業主婦というものが徐々になくなりつつある状況下で、それが日本の伝統だから守るべきという論調もありますが、とんでもない勘違いというのが山田教授の主張ですが、まだこの記事は続編がありそうです。