爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「直江兼継101の謎」川口素生著

軽い読み物のつもりで読みましたが、結構中味は濃いようです。
直江兼継は「天地人」の主人公でNHK大河ドラマで放映されましたが、上杉家に仕えた戦国から江戸時代の武将です。愛という文字を兜の飾り(前立てというそうです)としたことでも有名です。

兼継は元の姓は樋口ということで、越後の豪族で上杉謙信・景勝に仕えました。直江家の跡継ぎが絶えた為、養子となり直江兼継となりました。謙信亡き後、その跡継ぎが確立されていなかったため乱となりましたが、景勝を支えて収めました。
その後、景勝が会津に転封され、兼継も米沢に移ります。さらに景勝が大幅に減封され上杉家自体が米沢に移ると兼継も大きく石高を減らしますが、上杉家を支えその後の基盤を作ります。
戦いの才能も優れていたようですが、文化面の力の入れようも相当なもので、文選(もんぜん:中国の名文を集めたもの)が散逸していたものを私費を投じて復刻すると言う事業も成し遂げます。

相当優れた人物だったようですが、子孫繁栄というわけには行かず、実子は皆若くして死に、養子も迎えなかったため家も絶えてしまったようですが、これも主家に負担をかけないための方策だったと言うことです。

大河ドラマはほとんど見ることもないのですが、いまさらながらですが天地人は見とけば良かったかもと思いました。